ウィンドウズ10、今秋全面刷新 動画編集機能など強化

 【シアトル=小川義也】米マイクロソフトは11日、基本ソフト(OS)「ウィンドウズ10」を今秋に全面刷新すると発表した。動画編集機能などを強化するほか、ウィンドウズを搭載したパソコン(PC)と米アップルや米グーグルのOSを搭載したスマートフォン(スマホ)との連携機能を導入する。

 シアトルで開催中の年次開発者会議「ビルド」で、ウィンドウズ部門を統括するテリー・マイヤーソン上級副社長らが明らかにした。

 「フォール・クリエーターズ・アップデート」の目玉の1つは、「ストーリー・リミックス」と呼ぶ動画編集アプリ。人工知能(AI)の画像認識技術をフル活用し、誰でも簡単に動画を編集できる。

 たとえば、運動会の動画で自分の子どもを「主役」に設定すると、AIが自動的にその子が映ったシーンを抽出し、BGM付きのダイジェスト動画を作ってくれる。BGMを変えると、曲調に合わせて各シーンを自動的に並べ替えてくれるほか、手書き文字や3次元(3D)のアニメーションを挿入することもできる。

 ウィンドウズPCで作成途中だった文書を、アップルのスマホ「iPhone」で開いて作業を続けられる他社端末との連携機能も導入する。従来はウィンドウズを搭載した端末同士に限っていたが、スマホ市場におけるウィンドウズフォンのシェアが低いため、現実路線にかじを切る。

 連携機能を利用するには、他社OSの端末にもマイクロソフトの会話型AIアプリ「コルタナ」をダウンロードする必要がある。

 このほか、ウィンドウズのアプリ配信サービス「ウィンドウズストア」から、アップルのデジタルコンテンツ配信・管理サービス「iTunes」のアプリをダウンロードできるようにすることも明らかにした。

 2015年7月に提供を始めたウィンドウズ10の全面刷新は昨年8月、今年4月に続き3回目となる。大幅に機能を強化することで、世界で稼働台数が5億台を超えたウィンドウズ10の普及拡大を目指す。

nikkei.com(2017-05-12)