ホンダ、ロボ研究で新組織--車開発、AI分野で連携

 ホンダは28日、自律的に動く機械やシステムを開発する組織「R&DセンターX」を4月1日に新設すると発表した。人工知能(AI)などの技術進化に伴い、関連技術を組み合わせて新たな商品やサービスを模索する。同日都内で開いた発表会で松本宜之取締役専務執行役員は「強みのモノづくりに加え、体験や経験といったソフト的な価値を携えた“モノ・コトづくり”を推進したい」と話した。

 ロボット技術や移動システム、これらを動かすためのエネルギーマネジメントとAI技術が研究対象。AIとビッグデータとモノづくりを組み合わせた新たなアプローチで開発する。

 具体的な商品化の時期や内容は明らかにしていないが、松本専務執行役員は「何を生み出すかの出口を明確にした運営をする。スピードを信条に取り組む」と話した。4輪や2輪事業の研究開発部門とは独立し、早期実用化できる組織とする考え。

 センター担当の脇谷勉本田技術研究所上席研究員は「目の前の課題解決ではなく、ゴールからバックキャストする戦略で開発を進める」と話した。

 昨年開設したオープンイノベーション拠点「ホンダイノベーションラボ東京」(東京都港区)で、つながる車や自動運転の開発を担う4輪R&Dセンター(栃木県芳賀町)とAI分野で連携して、車開発にも関わる。

 AIに詳しい米スタンフォード大学名誉教授エドワード・ファイゲンバウム氏と、経営共創基盤CEOの冨山和彦氏を同センターのアドバイザーとして迎え入れる。

 AI開発を日本で行う意義について、ファイゲンバウム名誉教授は「シリコンバレーに行ってグーグルなどから人を雇うのがベストと思いがち」と指摘した上で「日本ではこれまで無視されてきたが素晴らしい資源がある」との見解を示した。

《追記》
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nikkan.co.jp(2017-03-01)