都市対抗野球
鈴鹿市10-1福山市・倉敷市 鈴鹿市・ホンダ鈴鹿、10点快勝

 第3日(17日・東京ドーム)

 ▽第2試合=1回戦

鈴鹿市(ホンダ鈴鹿)

  100213102=10

  001000000=1

福山市・倉敷市(JFE西日本)

 【審】緒方(球)松川、宅間、川崎(塁)

 鈴鹿市が福山市・倉敷市の投手陣から15安打を放ち、快勝した。一回、南の適時二塁打で先制。以降も手を緩めることなく、機動力も絡め2桁得点を挙げた。鈴鹿市の先発・平井はキレのあるスライダーを要所で決め、8回1失点。福山市・倉敷市は三回、友滝が一発を放ったが、その後は打線が沈黙した。

 ■ズーム

チャンスを結果に 安慶名舜(あげな・しゅん)外野手(23)=鈴鹿市・ホンダ鈴鹿

 相手が左腕・藤井に代わって「うれしかった」という。左打者だが左は苦にしない。同点の四回2死二、三塁。いつも「逆方向へ強い打球を」と意識している。そのイメージ通りに、打球は左中間を深々と破った。

 常に日が当たるわけではないが、なぜか、チャンスがめぐってくる。沖縄・興南高時代は控えで、甲子園でも出場はほぼ守備固め。しかしエース島袋(現ソフトバンク)の活躍などで甲子園春夏連覇を経験し「あの興南のメンバーか、といつも言ってもらえる」。法大では3年春まで出番がなかったが、先輩のケガで抜てきされて定位置を確保し、4年では主将も務めた。

 社会人2年目の今季も、春に4番に入っていた法大の1年後輩の畔上が負傷して外野枠が空いた。東海予選は代打、代走だったが、予選後に持ち味の俊足と小技のうまさをアピールし、先発メンバーを勝ち取った。

 「来たチャンスをものにしたい、とは人一倍思っている」という。有言実行した姿を沖縄から応援に来た両親に見てもらえたのが、何よりうれしかった。【冨重圭以子】

「熊本の分も」奮起

 ○…鈴鹿市の平井がエースの仕事をした。本大会は初登板で初先発、不調だったというが、「一回に1点をもらったのが大きかった」。内角への直球が決まり、スライダーの切れも戻り、八回まで1失点の好投。「攻めの気持ちを崩さなかったのが良かった」。前の試合で大津町が敗れただけに、同じホンダ勢として「地震で被災した熊本の分も勝ちたかった」と気合も入った。

27歳気炎の本塁打

 ○…福山市・倉敷市打線で気を吐いたのが27歳の8番・友滝だ。1点を追う三回無死、フルカウントから真ん中のスライダーを左翼席に運んだ。東京ドームで3年ぶりの一発に「平井投手はスライダーがいいと聞いていたので、スライダーの失投を狙っていた。イメージ通り」。八回にも中前打で出て二盗。だが、大敗での3年連続初戦敗退には「気持ちの整理がついていない」とショックを隠せなかった。

毎日新聞 東京朝刊(2016-07-18)