企業とスポーツ
都市対抗出場・トップに聞く ホンダ・八郷隆弘社長(57)

被災からの奮起見せる

 社内3チームのうちホンダ鈴鹿(鈴鹿市)とホンダ熊本(大津町)が出場する。熊本は熊本地震での被災を乗り越え、2年ぶり10回目の出場を決めた。「鈴鹿市の皆様のご声援や、大津町の皆様の被災を越えて立ち上がる姿に支えられた」と目を細める。

 熊本の選手たちは本震が起きた4月、茨城県での大会に参加中だった。すぐに熊本に戻ったが、工場は操業できる状態になく、車中で寝泊まりを余儀なくされた選手もいた。

 そんな中、チームは復旧ボランティアに参加。救援物資の仕分けなどの合間を縫って練習に励む姿は地域の明るい話題となり、町ぐるみの応援を得られたことが予選での快進撃につながった。

 鈴鹿も1点差で出場を逃した前年予選の悔しさをバネに練習に励み、2年ぶり21回目の出場を勝ち取った。

 熊本の工場の同僚約700人は8月の完全復旧まで鈴鹿や埼玉県の工場で働く。「『チームホンダ』一体となって栄光の黒獅子旗を目指し、積極果敢にチャレンジする姿をお見せしたい」(鈴鹿市、大津町)【宮島寛】

毎日新聞 東京朝刊(2016-07-05)