第87回都市対抗野球 組み合わせ抽選

ホンダ熊本 ボランティアで被災者と一つに 「全力で攻める姿見て」


監督代表インタビューを受ける(左から)ホンダ熊本の岡野武志監督、日立製作所の和久井勇人監督、きらやか銀行の大向誠監督=東京都千代田区で18日、小川昌宏撮影

 第87回都市対抗野球大会(毎日新聞社、日本野球連盟主催)の組み合わせ抽選会が18日、東京都内で行われた。4月の熊本地震を乗り越え代表の座に就いた大津町・ホンダ熊本は大会第3日の17日、第1試合で京都市・日本新薬と、創部65年目の初出場、山形市・きらやか銀行は同5日の19日、第2試合で門真市・パナソニックと対戦する。【村田隆和、長田舞子】

 ホンダ熊本は、4月の地震後、勤務先の操業が止まり、選手は車中泊を強いられた。岡野武志監督(41)は「練習を再開させると言える雰囲気ではなかった。野球をやっていいのかという葛藤は常にあった」と振り返る。

 そんな中、選手が再び集まるきっかけとなったのがボランティアだった。力仕事も多いがれきの撤去や物資の運搬などを積極的に引き受けた。すると、被災者から感謝されるだけでなく応援もされるようになった。練習することへのためらいは減り、野球をすることの充実感は以前よりも増した。

 多くの人の声援に応えて勝ち取った本大会の切符。岡野監督は「すばらしい舞台で、全力で攻める姿を見てほしい」と力を込めた。

 きらやか銀行の大向誠監督(44)は「うち以外はみなさん常連、強豪」。出場50回目となるパナソニックとの対戦にも表情は変わらない。初出場が決まってちょうど10日。「銀行の方がパニック」という。出場に向けた手続きなど誰も経験がない。当初は人事や総務、野球部のマネジャーらと手分けしていたが、ようやくマネジャーを準備に専念させられるようになった。

 現在のきらやか銀行は2007年5月に誕生。「10周年までに都市対抗出場を」と粟野学頭取から求められていた。来年がその年だが、大会は夏場だ。来年では「5月の10周年」に間に合わない。粟野頭取との約束を果たした大向監督。「ぶつかっていくだけ」と初戦を見据えた。

 <開場>第1試合の開始1時間前(初日は15時50分、決勝は16時半)

 都市対抗テレホンサービス(03・3212・3286)で試合経過と結果などをお知らせします。毎日新聞ニュースサイト(http://mainichi.jp/)で試合の模様を速報します。

毎日新聞(2016-06-19)