2次予選 九州 ホンダ熊本、被災の地元へ勝利届けた!

 熊本地震で被災した地元に勝利を届けたいというホンダ熊本の願いが実った。九回、エースの荒西が最後の打者を三振に仕留めて両手を突き上げると、選手たちがマウンドに駆け寄り、岡野監督が宙を舞った。

 本震があった4月16日、チームは茨城県で開催中だったJABA日立市長杯を棄権し、バスとフェリーを使って2日がかりで熊本に戻った。自宅や家族は無事だったが、勤務先の熊本製作所(熊本県大津町)は設備が壊れ、生産が一時ストップ。地元町民も地震直後は約1万2800人が避難生活を強いられた。主将の熊丸は「野球をやっていいのか迷いはあった」と振り返る。

 心の支えになったのが、製作所の島原俊幸所長の言葉。「こんな時だからこそ頑張ってほしい」。明るい話題で熊本に元気を与えてほしいという期待が込められていた。全体練習を4月25日に再開。ボランティアを続けながらボールを追った。

 熊本製作所の従業員約700人は工場が本格復旧する8月上旬まで埼玉県狭山市などに移っており、東京ドームは同僚が集まる絶好の機会になる。岡野監督は「遠い場所に移っている仲間のためにも頑張りたい」とさらなる活躍を誓った。【蓬田正志、角田直哉】

   九州(KIRISHIMAサンマリン宮崎ほか)
    ▽第1代表決定戦
   ホンダ熊本
     000110004=6
     200000000=2
   三菱重工長崎
    (ホンダ熊本は2年ぶり10回目)

《追記》
☆本田技研工業情報 「第87回都市対抗野球大会九州地区予選 第一代表で2年ぶり10回目の本戦出場権獲得!」ここをクリック

毎日新聞 東京朝刊(2016-06-08)