太陽系外の移住先探せ ホーキング博士が探査機計画

  【ニューヨーク=共同】英国の著名な宇宙物理学者スティーブン・ホーキング博士は12日、ニューヨークで記者会見し、光速の5分の1という極めて速い速度で飛ぶ小型探査機「ナノクラフト」を開発し、太陽系外の惑星や生命体を探す計画を発表した。

 米フェイスブック創業者のザッカーバーグ氏も計画に名を連ねた。ロシア人投資家で大富豪のユーリー・ミリネル氏が1億ドル(約109億円)を出資する。

 太陽系にもいずれ寿命が来るため、ホーキング博士は「(人類が)生き残るためには他の星に住むしかない」と述べた。地球が属する天の川銀河には、居住可能な惑星が数十億個は存在するとの研究報告もある。

 目指すのは、太陽系から最も近い恒星系をつくるケンタウルス座α星。地球から4.3光年離れており、現在の技術では3万年かかるが、ナノクラフトは地上の多数のアンテナがレーザー光で推力を与え続ける方式で高速を維持し、約20年で到達する。

 ナノクラフトは切手サイズのチップに小型のカメラや通信機器を搭載する。レーザーからの推力を受け取るため、1辺数メートルの四角形の帆を張り巡らせる。

 人類が宇宙人と接触するのは危険というのがホーキング博士の持論。仮に生命体を見つけた場合は「向こうがわれわれを見つけないことを祈る」と述べた。

nikkei.com(2016-04-13)