首都圏の高速道路、迂回しても料金同額 渋滞緩和へ4月から


 4月から首都圏の高速道路料金制度が大きく変わる。高速道路の出入り口が同じであれば、どのルートを通っても高速道路料金を原則として同額にする。トラックなどが都心を挟んで長距離を移動する際に、割高な首都圏中央連絡自動車道(圏央道)を避けて割安な首都高速道路を通らないようにすることで都心部の渋滞緩和を目指す。首都圏の高速道路料金を距離制に原則統一するのに合わせて導入する。

 国土交通省が1日、関係する高速道路会社から申請があった4月からの料金制度の変更について許可を出した。

 首都圏の高速道路料金は現在、定額制と距離制が混在している。今回の変更で1キロあたり36.6円の距離制に統一する。利用する高速道路次第で値上がり、値下がりの影響が出るが、首都高の場合は最長区間だと2900円(現行930円)に跳ね上がるため、激変緩和措置で1300円の上限を設ける。

 出入り口が同じ場合は原則として高速料金を同額にする。現在の料金では神奈川県の厚木インターチェンジ(IC)から茨城県の桜土浦ICまで利用する場合、首都高を使うルートが3560円と割安な一方、圏央道を使うルートが5210円、東京外かく環状道路(外環道)を使うルートは5590円と割高になる。この料金差が原因で、長距離トラックなどの業務車両が首都高に入り込み、都心の渋滞を招いていた。

 今回の変更でどのルートも3930円に統一されるため、渋滞が比較的少ない圏央道や外環道にルートを変える効果を期待できる。国交省は首都圏での料金変更による渋滞緩和効果をみたうえで近畿圏の高速料金制度の見直しも進める。


nikkei.com & yomiuri.co.jp(2016-03-01)