ホンダ、ハイブリッド車を中国生産 環境規制にらむ

 ホンダは中国でハイブリッド車(HV)の現地生産を始める。第1弾として今年夏をめどに中型セダン「アコード」のHVを発売する。中国の燃費規制は2020年までに先進国並みになる見通し。中大型車では購入補助の対象となるプラグインハイブリッド車(PHV)の発売も検討し、環境規制への対応を急ぐ。

 中国はメーカーが生産する新車の平均燃費をガソリン1リットルあたり20キロメートルまで厳しくする方針。規制に対応して中大型車でシェアを高めるにはHVなど環境対応車の品ぞろえとコスト減が課題だ。現地生産の車種を増やして先行するトヨタ自動車を追い、20年以降は新車販売に占めるHVの比率で5割を目指す。

 中国の合弁会社、広汽ホンダ(広州市)でアコードのHVを生産する。当面はモーターやバッテリーなど基幹部品は日本から持ち込む。価格は未定だが、ガソリン車との差を1〜2割前後に抑えることを目指す。

 高級車ブランド「アキュラ」でも、現地生産のSUV(多目的スポーツ車)のHVモデルを中国専用車として年内にも発売する計画。16年度の中国でのHVの生産は2車種の合計で計2万〜3万台とみられる。

 PHVも20年前後に投入する考え。過去に日本で生産して中国で販売した小型車「フィット」HVは価格が約18万元(現在のレートで約315万円)と現地生産のガソリンエンジン車の約2倍で、販売は限定的だった。

 中国では電気自動車(EV)とPHVを合わせた新エネルギー車の15年の販売台数が33万台と新車全体の1%強にとどまる。トヨタ自動車の15年のHVの中国販売は14年比で9%増の約3万1千台だった。

nikkei.com(2016-02-11)