オデッセイ:ホンダが2モーターHEVを大幅改良、パナ製電池に変更




 ホンダが「オデッセイ」に新しく搭載した2モーター式ハイブリッド機構「i-MMD」は、「アコードハイブリッド」の搭載品から大きく改良した。クラッチを使いエンジンとモーターを組み合わせる基本構成は同じだが、モーターやPCU(パワー・コントロール・ユニット)、電池といった主要部品を大幅に小さくした。

 ホンダが内製する駆動モーターは、効率を維持しながら出力とトルクを高めつつ、体積を従来比で23%小さくした。ステーターの巻き線を、断面が四角状の角型銅線に変えたことが大きい。従来は、断面が円い一般的な銅線だった。角型銅線の採用で、巻き線の占積率を従来比で約1.5倍の60%に高められた。加えて磁気回路を見直し、小さなネオジム磁石を採用。さらに電磁鋼板も変えた。最大出力は従来比11kW、最大トルクは同8N・m高められた。

 インバーターやコンバーターを含むPCUは、ケーヒン製である。従来品から体積を23%小さくし、27%軽くした。出力密度は27%高まった。電気回路を集積化したことに加えて、損失を抑えたIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスター)を採用して実現した。

 リチウムイオン電池をパナソニック製の角型電池に変え、体積で11%小さく、質量で6%軽くした。アコードは、ブルーエナジー製電池だった。電池容量は1.3kWhで従来と同じ。電池は助手席の下側に配置する。海外向けの車両では、スペアタイヤを配置していた場所である。

 ガソリンエンジンの構成は、アコードの排気量2.0Lの4気筒エンジンと基本的に同じである。大きく違うのは、三元触媒の配置だ。2ベッド式で二つの触媒を使うのはアコードと同じだが、オデッセイでは一つにまとめてエンジンルーム内に配置した。アコードでは一つがエンジンルーム内、もう一つが床下と分けていた。一つにまとめて排気管の近くに置くことで触媒を暖めやすくなり、触媒の容量を小さくできた。このほか、エアクリーナーなどの吸気系部品をエンジンの上に置いた。
< 清水 直茂 >

nikkeibp.co.jp(2016-02-04)