ホンダ次代PHV、電気で100キロ超走行 現行の3倍の距離に

 ホンダは、プラグインハイブリッド車(PHV)の次世代モデルで、排ガスを一切出さずに走れる距離を100キロ以上に延ばす。PHVはガソリンエンジンも積むが、日常生活ではほぼ使わずに済みそうで、PHVとしてはトップ級の環境性能になる。

 PHVは充電した電気が続く限り、電気自動車(EV)として走れるエコ カー。ホンダは次世代PHVで、充電池の性能を高めて同じ大きさでためられる電気の量や出力を伸ばし、モーターの効率も改善。フル充電時のEV走行できる距離を現行セダン「アコード」PHVの3倍にあたる110キロ程度まで延ばす。次世代車は2018年までに北米に投入し、日本でも展開する方向だ。3月投入の新型セダンの燃料電池車(FCV)の車台が使われる。

 日本では、三菱自動車のPHV「アウトランダーPHEV」が、EV走行の距離で国内や欧州の競合車種を寄せ付けない60・8キロをたたき出してヒット。トヨタ自動車の「プリウスPHV」は26・4キロだ。ホンダの次世代車は、EV走行できる距離でこれらの車種を大きく上回る。

 ホンダは、水素と酸素を反応させて走るFCVを「究極のエコカー」とする一方、FCVの普及まではPHVをエコカーの柱にする。現行アコードPHVは、EV走行と、充電がなくなった後のハイブリッド車(HV)としての走行を合わせた燃費が、ガソリン1リットル当たり70・4キロ。次世代車はこれを大幅に改善できそうで、価格次第ではHVに対抗できる可能性もある。(榊原謙)

asaahi.com(2016-01-23)