「ホンダジェット」納入開始へ 米で安全認証を取得

 【グリーンズボロ(米ノースカロライナ州)=中西豊紀】ホンダは9日、ビジネスジェット機「ホンダジェット」が規制に照らして安全だとの承認を米連邦航空局(FAA)から得たと発表した。機体の量産が可能になり、顧客への納入を始めることができる。創業者・本田宗一郎氏の時代から引き継がれ、ホンダにとって初参入となる飛行機事業が本格離陸した。

 子会社、ホンダエアクラフトカンパニーの藤野道格社長はノースカロライナ州の工場で開いた式典で「ホンダにとってこれまでにないほどの挑戦だったが歴史的なマイルストーンを達成した」と述べた。すでに米国を中心に100機超を受注しており、年内にも初号機を納入する。

 1986年から開発を進めてきたジェット機は全長13メートル、翼幅12メートル。ホンダ独自の設計思想に基づき主翼の上にエンジンを載せた。米セスナやブラジルのエンブラエルの機種が競合相手だが、藤野社長は「技術力や品質を強みに、シェア30%をめざしたい」と市場開拓に意気込みを示した。

 ホンダジェットの価格は450万ドル(約5億5千万円)で、乗員を含めて7人乗り。航続距離は2185キロメートル。例えばロンドンとローマの間を片道飛行できる。企業や富裕層への販売を想定している。

《追記》
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nikkei.com(2015-12-10)