ホンダ、電動スーパーカブ17年にも発売
1回充電の距離、現行車種の2倍

 ホンダは2017年をめどに、同社として初めて電動バイクを一般発売する。これまではリース販売に限定してきた。1回の充電で走れる距離を現行車種の2倍近くに延ばす。同社の小型二輪車「スーパーカブ」の車体にリチウムイオン電池やモーターを載せる。日本のほか、大気汚染が深刻な中国などでも売り出す計画。世界的に環境規制が厳しくなる中、各社の開発競争が進みそうだ。

 17年の発売を目指し従来より高い出力のモーターやリチウムイオン電池を開発している。ホンダが国内で電動バイクを一般販売するのは初めて。10〜13年にリース販売していた「EV―neo」(50万円前後)は1回の充電で約30キロメートル走るが、新型バイクは50キロメートル以上に延ばすメドが付いた。

 電動バイクは1回の充電で走れる距離が同じ車格のガソリンエンジンのバイクより短く、価格も高いため普及が進まなかった。一方、「燃料」となる電気代は大幅に安い。充電1回で50キロメートル以上、走れるようになれば通勤や通学向けに利用でき一定の需要が見込める。

 日本の電動バイクの年間の販売台数は6000台程度で二輪車市場のうち1%程度。ヤマハ発動機が8月に新型電動バイク「E―Vino(イービーノ)」を発売したものの製品数は少ない。二輪最大手のホンダが本格的に販売を始めれば、日本の電動バイク市場の活性化も期待できる。

 電動バイクの開発に力を入れる背景には中国やアジアなどで環境規制が強まることもある。電動バイクの投入で、厳しくなる環境規制にも対応できる。

nikkei.com(2015-11-18)