社会人野球:日本選手権 第6日 4番追加点、ホンダ8強

 第41回社会人野球日本選手権は第6日の4日、京セラドーム大阪で1回戦の残り1試合と2回戦2試合を行った。ホンダ(関東・埼玉)は前回8強の西濃運輸(東海・岐阜)を破り、準優勝した第36回大会(2009年)以来の準々決勝進出を果たした。日立製作所(関東・茨城)は前回大会で準優勝したセガサミー(関東・東京)にサヨナラ勝ちし、6大会ぶりの8強入り。サヨナラ試合は今大会初。1回戦最後の試合は、NTT西日本(近畿・大阪)が四国銀行(四国・高知)を降した。

 ▽第2試合=2回戦

西濃運輸(東海・岐阜)
  000000020=2
  00001020×=3
ホンダ(関東・埼玉)

 ホンダが競り勝った。五回1死一、三塁、小手川のスクイズで先制。七回には2死一、三塁から多幡の右中間三塁打で2点を追加。先発の福田大は七回まで被安打1の好投。西濃運輸は八回に2点を返したが、2番手・福田勇にかわされた。

 ◇多幡は信頼裏切らず

 ホンダの多幡が七回に貴重な追加点をたたき出し、4番打者の仕事をした。

 1点リードで迎えた七回。2死から小手川の四球と阿部の右前打で一、三塁とし、打席には多幡。「見逃せばボールだったかもしれない」という外角低めの直球をうまくすくい上げ、右中間を破る三塁打で2者を迎え入れた。今季からコーチも兼任する11年目のベテランが、ナインに見本となる打撃を披露。パナソニックとの1回戦でも先制本塁打を放っており、2試合連続で勝利に貢献した。

 五回に小手川のスリーバントスクイズでようやく1点をもぎ取っただけに、「追加点が欲しかった」と多幡は言う。先発した新人の福田大は前半だけで9奪三振と絶好調。だが、八回に西濃運輸打線につかまり、2点を奪われた。結果的に多幡のバットから生まれた追加点が効いた格好だ。

 多くの選手が「やはり、取れるときに点を取っておかないといけないと思った」と話したが、多幡は違った。「西濃さんは追い込まれてもしっかり2点を返した。見事な攻撃に、教えられました」。野球へ真面目に取り組むからこそ生まれる考え方だろう。長谷川監督が「頼りになる、欠かせない存在」というのがうなずける。【黒尾透】

 ◇西濃・野田が散る

 ○…西濃運輸の先発・野田が六回途中1失点と試合を作った。2大大会初先発の舞台でも落ち着きを失わず、球威ある直球と右打者の内角低めへ投じるスライダーのコンビネーションを披露した。昨冬、ツーシームを習得。幅が広がり、三振を狙うだけでなく、打たせて取る投球ができるようになった。10月22日のドラフト会議で西武から3位指名された167センチの左腕は、社会人最後の試合を終えて「勝てる投手になりたい」と目を潤ませた。

《追記》
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毎日新聞 東京朝刊(2015-11-05)