ホンダ、ガソリン車の大半に小型低燃費エンジン

 HVより割安

 ホンダは、低燃費と高い走行性能を両立させた小型エンジンを、ミニバンやセダンなどガソリン車の大半に採用することを決めた。

 ハイブリッド車(HV)に比べて割安なのが特徴で、各国で環境規制が強化される中、多くのメーカーが追随しそうだ。

 ホンダは今秋に北米で発売する予定の新型「シビック」のほか、主力セダンの「アコード」などにも「ダウンサイジング」技術を搭載したエンジンを採用する方向だ。

 今年4月に全面改良したミニバン「ステップワゴン」に初めて、ダウンサイジング技術を採用した。エンジン排気量は1・5リットルと、先代の2・0リットルから小さくした。走行距離は1リットルあたり17キロ・メートルと、ガソリン車のミニバンではトップクラスの燃費性能を実現した。ターボエンジンなので、一定の馬力も確保している。

 ホンダの開発子会社「本田技術研究所」の袴田仁・執行役員はダウンサイジング技術について、「価格を上げずに、環境対応と価格競争力に対応できる」と話す。

 欧米各国は二酸化炭素(CO2)の排出量を減らすため、環境基準を厳しくしており、各自動車メーカーは燃費性能が高い車の開発を迫られている。小型エンジン車のほうがHVよりも価格が手頃で、アピールしやすい面もある。

 トヨタ自動車は2014年に発売した高級ブランド「レクサス」のスポーツ用多目的車(SUV)「NX」や、今年4月に一部改良した小型車「オーリス」にダウンサイジング技術を採用した。  日産自動車や富士重工業も、搭載車種を増やす方向だ。

ダウンサイジング 排気量を小さくしたエンジンに、ターボチャージャー(過給器)を組み合わせる技術。小さいエンジンは燃費性能が高まるが、馬力が落ちるため、ターボで馬力を補うことで、低燃費と走行性能を両立させる。

yomiuri.co.jp(2015-07-21)