自然な会話がわかるロボ ホンダ・電通大が開発

複数の動作指示、人により違う表現も

 ホンダと電気通信大学などの研究チームは、自然な話し言葉を理解するロボットを開発した。「テーブルのお茶を取ってソファに運んで」といった複数の動作を含む指示や、人によって異なる表現を正しく理解し、言われた通りに動作する。子どもからお年寄りまで、自然に使える家庭用ロボットへの応用を目指す。

 ロボットは身長約1メートル。ホンダの研究開発子会社であるホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン(埼玉県和光市)と電通大の中村友昭助教らが共同で開発した。

 同じ動作を指示するのにも、「テーブルのお茶を取ってソファに運んで」、「お茶をテーブルからソファに持って来て」など人によって表現は様々だが、ロボットは迷わず同じように動作する。

 話し言葉の中から、操作対象を表す名詞と、操作内容を表す動詞を抽出し、それらの関係を判断する新たな人工知能を開発して搭載した。1つの文章に3つの命令が含まれている場合まで対応できる。

 実験では実際、ペットボトルのお茶をテーブルへ取りに行き、指定したソファに届けるという一連の命令を、話し言葉から認識して実行した。

 これまでにも音声での指令で動くロボットはあったが、決まったパターンの短い文章しか理解できず、操作する人がそれを覚える必要があった。

 人に頼むのと同じ感覚でロボットを操作できれば、特別な準備が必要ない。家庭で高齢者の自立を助けたり、家事を手伝ったりする身近なロボットとして利用できる。

nikkei.com(2015-06-13)