ホンダ、新型「NSX」を世界初公開 北米自動車ショー

 【デトロイト=川上梓、杉本貴司】ホンダは12日開幕した北米国際自動車ショーで、スーパーカーの「NSX」を世界初公開した。高級車「アキュラ」ブランドで今年後半に米国で発売する。米フォード・モーターも対抗車をお披露目した。好景気やガソリン安の追い風で、日本のバブル期のような高額車の公開が相次いだが、米ゼネラル・モーターズ(GM)はあえてエコカーを公開し差異化を狙った。

 NSXはホンダが日本のバブル期に投入したスーパーカー。アルミニウムを全面採用して話題となったが、バブル崩壊後1990年代後半から販売が失速し2005年に生産を停止した。ホンダはこのほど販売が好調な米国発でNSXを復活させた。

 新型NSXは3つのモーターを使う新開発のシステムで走りと燃費性能を両立させた。米オハイオ州の開発拠点で開発し、現地で量産する。価格は約15万ドル(約1800万円)からで、米国で今年夏から予約を受け付ける。

 日本でも「ホンダ」ブランドで販売する。価格は未定。年内に受注を開始し、来年初めから納車を始める。アキュラ部門のマイケル・アカビティ上席副社長は「スポーツカーの革新を伝えたい」と述べた。

 フォードもスーパーカーと位置づける「GT」を公開した。600馬力の超ハイパワーエンジンを搭載。新型NSXと同様に鋼材とアルミ、炭素繊維を使って車体を軽量化する。16年末に生産を始める。

 ショーでは独ポルシェやイタリア・アルファロメオも相次ぎスポーツ車の新モデルを公開した。米国内の新車平均価格は3万3千ドルを超え、過去最高水準で推移している。メーカーは利益率が高く、ブランド価値の向上にもつながるスポーツ車の投入を急いでいる。

 一方、GMは10年に発売したプラグインハイブリッド車(PHV)に近い構造のエコカー「ボルト」の新モデルを公開した。電池だけで走れる距離を3割強伸ばして約80キロとした。蓄電容量を高めた電池を搭載して軽量化を進めた。

 ガソリン安は大型車が多いGMにも追い風だが、メアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)は「長期的に見てエコカーの需要は必ず増える」と指摘。業績が好調なうちにエコカー開発の手を抜かず、再び原油高になる局面に備える考えだ。GMは電気自動車のコンセプト車も公開した。

《追記》
☆本田技研工業情報 「2015年北米国際自動車ショーでAcura新型「NSX」を世界初披露」ここをクリック

nikkei.com(2015-01-13)