ホンダ、狭山工場で生産調整開始 11月末まで金曜休止

 ホンダは31日、ミニバンなどを生産する埼玉製作所狭山工場(埼玉県狭山市)で毎週金曜日の操業を休止する生産調整を始めた。11月末まで続ける見通し。軽自動車が主体の鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)や変速機の浜松製作所(浜松市)も休止した。両製作所は年末までにあと2、3日止める方向で調整している。国内の販売不振が生産現場に影を落としている。

 自動車メーカーが平日に工場を止めるのは珍しい。消費増税後の販売回復の遅れに加え、小型車「フィット」の連続リコール(回収・無償修理)を機に新車投入を凍結したことで、生産量を確保できなくなった。

 生産調整で完成車の在庫を減らす一方、増産を見込む年明け以降の休日と振り替える。休んだ完成車工場の生産能力は狭山が1日約1千台、鈴鹿は約2千台。

 この日の狭山工場は朝から人やトラックの出入りはほとんどなく、普段は従業員のホンダ車でいっぱいになる駐車場も車はまばらだった。  ホンダはこのほど、2014年度の国内販売計画(小売りベース)を103万台から93万台へと下方修正した。同社は世界中の需要のある場所で生産する「地産地消」戦略を推し進めている。輸出は少なく、国内販売の低迷が工場の操業度低下につながりやすい。

nikkei.com(2014-10-31)