エアバッグ欠陥で不安拡大 米議会も調査へ リコール780万件

 【ワシントン=小雲規生】日本の自動車部品メーカー、タカタのエアバッグの欠陥をめぐり米国で不安が拡大している。これまでに死亡事故も報告されており、米メディアによると、米議会も調査に乗り出す考えだ。米国では昨年以降、約780万台ものリコール(無料の回収・修理)が発表されており、今後も波紋が広がりそうだ。

 ロイター通信は21日、米下院エネルギー・商業委員会の関係者の話として、同委員会が米道路交通安全局(NHTSA)からタカタの問題について説明を求めていると報じた。また自動車メーカーとも会って、この問題について協議する意向だという。

 これまでに少なくとも4件の死亡事故が起きており、損害賠償請求訴訟が起こされている。21日にはフロリダ州での2件の事故で目などの負傷したされる訴訟が起こされていることも明らかになった。

 また米紙ニューヨーク・タイムズも21日付紙面の1面に、ホンダの自動車に搭載されたタカタのエアバッグの欠陥で死亡したとする女性を取り上げた記事を掲載。タカタのリコールについて「急速に膨らんでいる」とし、ホンダやタカタはリコール対応が遅れたなどと指摘している。

 NHTSAは21日、昨年から今年にかけて米国で発表されたタカタのエアバッグに関するリコール件数の集計を発表。ホンダ、トヨタ自動車、日産自動車、BMWなど10社の約780万台がリストアップし、「個人の安全に決定的な意味を持つ」として利用者に早期の修理に持ち込むよう促している。

 これらのリコールでは、エアバッグ膨張装置の欠陥で作動時に圧力がかかりすぎ、バッグの容器が破裂し、金属片が飛び散るなどする恐れがある。NHTSAは気温や湿度が高い地域ではより作動時の圧力が大きくなるとして、フロリダ州やテキサス州での対象車に対して特に注意を呼びかけている。

産経新聞(2014-10-22)