ホンダ、国内減産 販売低迷で在庫圧縮
10月から11月にかけ一部操業中止

 ホンダは10月から11月にかけ国内で自動車の生産調整に踏み切る。埼玉県の工場で1日の生産台数を従来計画に比べ2割ほど減らし、毎週金曜日に操業を休止する。小型車で続いたリコール(回収・無償修理)問題を受け、新型車の生産・発売を遅らせ品質確認を徹底する。消費増税後の販売低迷で増えた完成車の在庫を減らす狙いもある。2014年度の国内販売計画(約100万台)の達成は難しい情勢だ。

 ミニバンなどを生産する埼玉製作所狭山工場(埼玉県狭山市)で、生産台数を従来見通しの1日約1000台から約800台に減らす。当面は金曜の操業をとりやめ、年明け以降に増産する際の休日と振り替える。自動車メーカーが平日に操業を止めるのは珍しい。

 軽自動車が主体の鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)でも、1日約2000台の生産能力に対し8〜9割の操業度に抑える見通しだ。いずれも新型車の生産開始が遅れるうえ、既存車種の販売が想定を下回り、在庫が増えていた。埼玉県寄居町の工場では1日約1000台の生産を維持する。

 ホンダは現地生産を重視し、日本からの輸出がほとんどないため、国内販売の変動が生産に響きやすい。国内生産のおよそ半分を輸出するトヨタ自動車の場合、10〜12月は1日約1万2500台前後と、8月下旬時点の生産計画を維持する。

 ホンダでは主力小型車「フィット」など2車種でハイブリッド車(HV)の動力システムの不具合が相次ぎ見つかり、フィットのリコールは異例の4度に及んだ。再発防止のため、新型車の発売を遅らせ「品質を総点検する」(幹部)という。

 今年度中に6車種を発売する計画だが、年内に投入できそうなのは2〜3車種にとどまる公算が大きい。

nikkei.com(2014-10-02)