ホンダの米子会社、自家用ジェット量産1号機の試験飛行に成功

 ホンダの航空機事業子会社である米ホンダ・エアクラフト・カンパニーは27日、開発中の自家用ジェット量産1号機の試験飛行に成功したと発表した。これにより「空飛ぶシビック」と呼ばれるジェット機の実現に一歩近づいた。

 同社によると、この「ホンダジェット」は米連邦航空局(FAA)の型式証明を取得後、来年からのデリバリー開始を目指している。

 藤野道格社長兼最高経営責任者(CEO)は「今回の量産1号機の初飛行は最先端の小型ビジネスジェットをお届けする上での重要な節目」だと述べた。

 ノースカロライナ州グリーンズボロ市のピードモントトライアッド国際空港を離陸したホンダジェットは高度1万5500フィート(約4700メートル)の上空を84分間飛行。飛行速度は時速約644キロに達したという。 翼の下ではなく上にエンジンを搭載するという珍しいデザインのこのジェットは客室面積を最大限にとり、客室の騒音を抑え、高い燃費性能を目指したものだ。座席数は最大5席。

 ホンダはすでに北米と欧州からの受注を開始している。価格は450万ドル(約4億6000万円)。小型ジェットメーカー米テクストロン傘下のセスナやブラジルのエンブラエル、米シーラス・エアクラフトなどがライバルになる。ホンダは以前、ウォール・ストリート・ジャーナルに対し、家族旅行など個人利用を念頭に購入する顧客もいるとの見通しを示していた。

 ホンダ・エアクラフトが拠点を置くノースカロライナ州は1903年にライト兄弟が世界で初めて有人動力飛行に成功した州でもある。

 日本企業は今、北米や欧州、ブラジルの一握りの企業が独占する世界の航空機市場に食い込もうと奮闘中だ。三菱重工業と三菱航空機は26日、開発中である国産初の小型ジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRT)」の試験飛行1号機にエンジンを搭載したと発表した。MRTの座席数は70〜90席になる予定。

《追記》
☆本田技研工業情報 「HondaJet量産1号機が初飛行に成功 〜2015年のデリバリー開始に向けた新たなマイルストーンを達成〜」ここをクリック

realtime.wsj.com/japan(2014-06-30)