ホンダ、燃料電池車を国内先行発売 価格700万〜800万円「採算より普及」

 ホンダが燃料電池車(FCV)を日本で先行販売する方針を固めたことが24日、わかった。価格は補助金を含まずに700万〜800万円とする考え。ホンダはFCVを来年から国内外で発売する予定だったが、海外に先駆けてまず日本市場に投入する。また、1回の燃料補給での走行距離は800キロと、当初計画を約100キロ上回る水準を目指すもようだ。

 ホンダは昨年11月、FCVの試作車「FCEVコンセプト」をロサンゼルスモーターショーで初公開。当初は自動車市場の中心となる米国での先行発売を検討していたが、「日本発の最先端技術として売り出す」ことを狙い、日本国内で先行発売する方針を固めた。

 一般的に1千万円超となる価格についても「採算より普及を優先する方針」(ホンダ幹部)として、割安にする考え。700万〜800万円で販売した場合、電気自動車(EV)と同等の政府の補助金が出れば、消費者の負担は600万円台前半からとなる。最終的な価格は、今年末から来年1月に先行発売する予定のトヨタ自動車のFCVの動向を見て判断する。

 ホンダは狭山工場(埼玉県狭山市)でFCVの生産を来年に開始、年間1千台規模の生産を見込む。当面は燃料を供給する「水素ステーション」がある首都圏など大都市圏を中心に販売する方針だ。また、デザインは「(試作車の)FCEVコンセプトを生かす」(幹部)としており、近未来の自動車をイメージした車体を採用する。

 ホンダは昨年7月、より価格を抑えたFCVの量産車を、2020年に実用化することを目的に米ゼネラル・モーターズと提携。燃料電池や水素貯蔵システムの共同開発を行っていた。

sankei.jp.msn.com(2014-06-25)