ホンダ、中国で車種倍増 2年後20モデルに
GMなど欧米勢追撃

 ホンダは中国で販売する車種の数を2年後をメドに20程度に倍増する。現地の合弁会社2社の間で主要部品を共通化して低コストで幅広い車種を生産できるようにする。中国の新車市場は昨年2千万台を突破し、日本車メーカーは米ゼネラル・モーターズ(GM)などに比べ出遅れている。多様な新型車を効率よく投入して欧米勢を追い上げる。

 日本勢の中国戦略は日本の主力車を持ち込む形だった。中国新車販売は2013年に12年比14%増の2198万台に伸びシェア争いは激しさを増す。ホンダなどはきめ細かい品ぞろえで需要を取り込む戦略に転換する。

 ホンダは中国に広汽ホンダ(広東省)と東風ホンダ(湖北省)の2つの合弁会社を持つ。販売車種は現在2社で約10車種にとどまる。上位のGMの40車種に比べて見劣りする。「アコード」「CR―V」など世界戦略車を合弁2社に割り振り、すみ分けさせたためだ。このやり方では消費者の多様な好みや所得階層に対応しにくい。

 今後は2社が車体の骨格である「車台」など主要部品を共同で使い、内外装のデザインを顧客層に合わせて変えていく。車台から開発するよりもコストを掛けずに車種を増やせる。ホンダは15年までに既存モデルの全面改良を含めて中国に9車種を投入する計画だ。  新車開発の進め方を見直すため昨年に研究開発や部品調達を担う本田技研工業(中国)投資を広東省に設けた。合弁2社の開発部門と連携する。中国で部品の調達数を増やして購買コストを減らす狙いもある。

 中国の上位企業は多彩な品ぞろえが強みとなっている。GMは「シボレー」など7ブランド計40車種で13年に計316万台を売った。ホンダ(76万台)の4倍以上で、品ぞろえの差が販売台数の差に結びついた。

 他の日本車メーカーも攻勢をかける。現在中国で26車種を売るトヨタ自動車は17年末までに全面改良などを含め15車種を投入する。日産自動車は高性能スポーツ車ブランド「ニスモ」を本格販売し、BMWやアウディなど中国でシェアを伸ばす独高級車に対抗する。

nikkei.com(2014-05-03)