ホンダ、タイ工場の稼働延期−4輪車内需低迷

 ホンダはタイで建設中の4輪車工場(完成予想図)について稼働を半年から1年延期する。プラチンブリ県のロジャーナ工業団地内で2015年中の稼働を目指していたが、タイ政府による自動車購入促進策の終了に伴う反動減などにより内需が低迷。政情不安もあってさらに市場環境が厳しくなると判断。市場動向を見極めた上で生産体制を整える。

 新工場の総投資額は約171億バーツ(約540億円)。年産能力は12万台で、小型車を中心に生産する予定。既存のアユタヤ工場と合わせて15年中に年産能力を42万台に拡大する計画だった。新工場稼働の延期は自動車部品メーカーに伝えた。

 タイの新車販売台数は、政府による促進策が12年末に終了した反動から減少が続いている。トヨタの現地法人によると13年の総需要は前年比7・4%減の133万台となった。車各社の販売減が相次ぐ中でもホンダは同24・5%増の21万台となり、乗用車部門のシェアはトヨタを抜いてトップとなった。

 ただ、1−2月のホンダの販売台数は大幅に落ち込んでいる。同社の1月末時点の見通しによると14年の総需要は前年比約15%減の113万台となり、ホンダの販売も同5万台減の16万台程度になると見込んでいる。輸出台数の増加だけでは稼働率を維持できないまでに内需が今後冷え込むとみて、新工場の稼働延期に踏み切ったとみられる。

nikkan.co.jp(2014-04-11)