ホンダ N-WGN(エヌワゴン) 試乗レポート/国沢光宏

現時点の軽自動車でベストチョイス

 N BOXから始まったホンダの新世代軽自動車(Nシリーズ)の第4弾となる『N-WGN(エヌワゴン)』が東京モータショーのプレスディで発表された。実は11月上旬に行われたメディア向けのイベントの時に披露済みで、試乗も済ませているのだけれど、その時は価格やスペックについちゃ未発表でした。

 結論から書くと、現時点の軽自動車でベストチョイスになるかもしれません。じっくり紹介したい。

 まず驚くのが価格。売れ筋と思われる自動ブレーキ付きの『G・Aパッケージ』は呆れるくらいのフル装備状態で125万円!

 どんな装備が付くのか?もはやライバルを圧倒してる!

この価格でこの装備!

 安全装備は自動ブレーキの他、サイドカーテンエアバッグ、横滑り防止装置VSA、後席にも普通乗用車と同じロードリミッター付き3点式ELRシートベルトが付く。HIDヘッドライトや、ヒーテッドミラーで視界もバッチリ!

 さらにオートエアコンやスマートキーまで標準だ。

 参考までにスズキ「 ワゴンR 」の自動ブレーキ付きモデルの価格と装備内容を紹介すると、サイドカーテンエアバッグやHIDライト無しで129万1500円。大雑把に言って15万円くらいN-WGNの方がお買い得だと思っていいだろう!

 価格だけ見てもワゴンRより魅力的です。

アイドリングストップが改良され、燃費はライバル車と並ぶ

 燃費だって文句無し!

 Nシリーズの第3弾「N-ONE」ではJC08燃費で27km/Lと、ライバルである ワゴンR の30km/Lに届いていかった。アイドリングストップ一つ取っても、ワゴンRやダイハツ「 ムーヴ 」は完全に停止する前から稼働させていたのに、なぜかN-ONEだと完全に停車して1秒くらい立たないと稼働しなかった。

 N-WGNは車速10km/hでアイドリングがストップする制御になるなど大幅に改良され、ライバルと並ぶ29.2km/Lを実現(ターボ仕様もアイドリングストップが付くようになり、26km/L)。このくらいの燃費差だと、比較テストしたって計測誤差の範囲。実用燃費は同等だと考えていい。

リアシートの居住性からしてハンパ無い!

 N-WGNの凄さはここからだ。使い勝手の良さときたら、枚挙にいとま無し!

 小さいところだと、後席の人がスマートフォンなど入れられるよう運転席と助手席の後ろ側に小さなポケットを付けたり、傘や靴を収納できるアンダートレイをリアシートの下にセットしたり‥‥。カップホルダーに位置まで凝った。

 そもそもリアシートの居住性からしてハンパ無い!身長183cmのドライバーが座った状態で、リアシートにも広大なスペースを残す。さらにリアシートは前後にスライドするようになっていて、荷物をたくさん積むことだって可能。はたまたリアが二重底になっているため、ベビーカーも余裕で収納出来る。

 クルマにウルサイ私は、シートの仕上がりの良さが気にいった。安っぽさを感じたN-ONEのシートと、調達メーカーから違うという。ロングドライブする人なら、ターボ仕様などいかがか?10万円高でクルーズコントロールとアルミホイールが付く。これまた超お買い得です!

ホンダ N-WGN(G・Aパッケージ/FF)主要諸元

全長x全幅x全高:3395x1475x1655mm/ホイールベース:2520mm/車両重量:820kg/乗車定員:4名/駆動方式:FF(前輪駆動)/エンジン種類:水冷直列3気筒DOHC/総排気量:658cc/最高出力:58ps(43kW)/7300rpm/最大トルク:6.6kg-m(65N・m)/4700rpm/トランスミッション:無段変速オートマチック(トルクコンバーター付)/燃料消費率:29.2km/L/タイヤサイズ:(前・後)155/65R14 75S/車両本体価格:125万円[消費税込み]

autoc-one.jp(2013-11-28)