ホンダ:太陽電池製造事業から撤退 子会社を清算

 ホンダは30日、太陽電池を製造する完全子会社「ホンダソルテック」(熊本県大津町)の事業を2014年春に終了し、太陽電池の製造・販売から撤退すると発表した。販売済み電池のアフターサービスは、関連会社のホンダ開発が引き継ぎ、従業員80人はグループ内での配置転換や再就職を支援するという。

 ホンダソルテックは06年12月の設立。素材に主流のシリコンを使わず、銅やインジウムなどの化合物を使って熱や天候の影響を受けにくい太陽電池を製造してきた。主に一般住宅向けに販売しており、3月末までの販売総数は33万枚に上った。

 ピーク時の2010年度は12万5000枚を販売したが、設立以来営業赤字が続いていた。08年に1キロ当たり約380ドルだったシリコン価格が12年は約20ドルまで下落したことで、シリコン素材の太陽電池の価格が下がり、競争条件が悪化。12年度の販売枚数は8万9000枚まで落ち込んでいた。会社清算までの累積赤字は120億円に上る見込み。【松田栄二郎】

《追記》
☆本田技研工業情報 「太陽電池事業子会社 ホンダソルテックの事業終了について」ここをクリック

毎日新聞(2013-10-30)