ホンダ、SUVでもハイブリッド投入 小型車販売店2割拡充

 ホンダは11月に、小型多目的スポーツ車(SUV)のハイブリッド車(HV)を発売する。SUVでのHVは同社として初めて。ガソリン1リットルの燃費が世界最高となる「フィット」のHV次期モデルを9月に発売するのに続き、SUVも投入し車種を広げる。これら小型HVを主に取り扱う店舗を2013年度中に2割増やす。13年度の国内HV販売台数を前年度比5割増の約21万台にする計画だ。

 ホンダは19日、「フィット」のHV次期モデルの燃費が36.4キロメートルになると発表した。現在世界首位であるトヨタ自動車の小型HV「アクア」(35.4キロメートル)を抜く。

 高出力モーターを核とする小型車専用のHVシステムを開発した。現行のモデルはエンジンとモーターを併用しているが、次期モデルは低・中速時にモーターだけを使って、ガソリン消費を抑える。

 11月発売のSUVはフィットと同じHVシステムを搭載する。今月稼働させた埼玉製作所寄居工場(埼玉県寄居町)でフィットと同じ車台を使って生産する。コストを削減し、収益力を高める。同社のSUVは世界戦略車の「CR―V」のみで、現在はガソリン車しかない。

 ホンダは「フィット」とSUVの小型HV2種類を開発するだけでなく、販売策も手を打つ。全国2200店のホンダ販売網のうち地方店を中心に、小型車や軽自動車の販売に特に力を入れる店を現在の250店から300店に増やす。

 12年度の国内新車販売に占める軽自動車とHVの割合は合計6割に迫った。消費者が燃費性能への関心を高めている。HVはトヨタが先行し、12年度は「アクア」「プリウス」などHVが新車販売の42%を占めた。

 ホンダは「N BOX」など軽の人気が高い。HVでは、今年6月に軽並みの燃費30.0キロメートルとなった「アコード」も合わせて売り込む。13年度の国内販売目標は85万台で、21万台程度をHVとする考えだ。

nikkei.com(2013-07-20)