都市対抗野球:ニチダイが東京ドーム初勝利

 第84回都市対抗野球大会(毎日新聞社、日本野球連盟主催)は第4日の15日、1回戦3試合。第3試合はニチダイ(京田辺市)とホンダ熊本(大津町)が対戦。ニチダイが1ー0でホンダ熊本を降し、都市対抗野球初勝利を飾った。

 ○ニチダイ(京田辺市)1ー0ホンダ熊本(大津町)●

 ニチダイが接戦を制した。三回1死一、三塁から川口の右前適時打で先制すると、右腕の西原が変化球を巧みに使い、1点を守りきる完封勝利を挙げた。ホンダ熊本はニチダイの倍の6安打を放ちながら打線につながりがなく、好投した投手陣を援護できなかった。

 ○…値千金の決勝打を放ったニチダイの2番・川口は「打った瞬間に抜けると思った」。三回1死一、三塁の先制機。カウント2ー2からの6球目はカーブで、狙い球とは違った。しかし「併殺崩れでも1点取れる」とバットを合わせると、打球は空いていた一、二塁間を緩いゴロで抜けて行った。試合前、楠本監督が意外性のある選手として川口の名を挙げていたという。期待に応えて打のヒーローになった25歳は「あんな当たりで抜けてくれて……。でもうれしいです」と照れ笑いを浮かべた。

 ○…四回から登板したホンダ熊本の幸松(九州三菱自動車から補強)が、技巧派右腕の真骨頂を発揮した。右横手から伸びのある直球と、ホームベースの手前で鋭く落ちるシンカーを精密な制球力で自在に操り、緩急でニチダイ打線を七回まで無安打に封じた。「ほぼ思い通り。一定の役割は果たせた」。ただ、表情は硬いまま。「悔しい。あとひと押し足りなかった」と、九州屈指の右腕は敗戦を振り返った。

 ニチダイ・楠本正美監督 うれしいです。昨年の日本選手権や、今回の苦しい予選で勝ったことが、勢いだけでない力になった。

 ホンダ熊本・渡辺正健監督 一回の攻撃で得点できていれば。全国大会で勝つためには打力のアップが必要だ。

毎日新聞(2013-07-16)