今年も注意!「史上初・4年連続暑い夏」

〜暑さに備えるなら…今でしょ!〜

 5月23日、気象庁から6月〜8月の3カ月予報が発表になりました。

 北日本・東日本・西日本の気温は、「平年並み」と「高い」確率を合わせると80%! 九州から北海道まで、この夏も暑くなりそうです。

 日本から遠く離れているインド洋や太平洋西部にかけての対流活動が活発になる(雨が多くなる)と予想されています。こうなると梅雨明け以降、日本付近の太平洋高気圧が強まって、晴れて暑い日が続く…というシナリオが描けるのです。

 「北日本・東日本・西日本すべてで暑い夏」は昨年まで3年連続続いていましたが、これは統計史上初めてのことでした。それまでは、九州から北海道までのすべての地域で、3夏続けて気温が平年を上回ることはなかったのです。「今年も」となると4年連続…。記録をさらに更新してしまいそうです。

 先が思いやられますが、暑い夏に備えるなら今! です。先手を打っておきましょう。

 キーワードは「暑熱順化(しょねつじゅんか=身体が次第に暑さに慣れること)」です。

 じっとしていれば汗をかくことがない今のうちに、身体を動かして汗をかく習慣をつけておくと、2週間程度で暑さに適応しやすくなるといわれています。まず汗をかく自律神経の反応が早くなって体温上昇を防ぐのが上手になり、日が経つにつれて、汗に無駄な塩分を出さないようにするホルモンが出て、「筋肉のこむら返り」など熱中症の症状を防いでくれるようになります。今から始めれば6月の半ばまでには暑さに強い身体の基礎が作れるでしょう。

 6月半ばというと、梅雨入りの時期です。

 今年は連休明けから沖縄と奄美が梅雨に入りました。そのほかの地域の梅雨入り平年日は、九州南部が5月31日、九州北部と四国が6月5日、中国・近畿が6月7日、東海・関東甲信が6月8日、北陸と東北南部が6月12日、東北北部が6月14日となっています。

 3カ月予報によると、西日本や東日本では梅雨前線の活動が活発になり「雨の多い梅雨」になると予想されています。

 曇りや雨の日が多くなる分、「梅雨の晴れ間」も熱中症に注意が必要です。実は、「命の危険にさらされるような重篤な熱中症」で病院に搬送される人数は、梅雨の期間中や梅雨明け直後に多いのです。暑さに身体が慣れていないのが大きな理由です。

 特に、今季のように梅雨前線の活動が活発になると予想される場合は、それだけ「暖かく湿った空気が日本付近に流れ込みやすい」ということで、晴れれば猛烈な暑さに見舞われる恐れがあります。例えば、2005年の東京は、梅雨真っただ中の6月28日に年間の最高気温(36.2度)を記録しています。

 今年は梅雨の晴れ間の暑さも手ごわそうなので、余計に早めの「暑熱順化」が必要になってきます。

 すでに真夏日になる地点も増えてきているため、梅雨入り前でも昼間の暑さには用心しなければなりません。日々の天気予報やご自身の体調をみながら運動するようになさってください。

 参考にしたいのが、来週5月29日から発表される「高温注意情報」です。  (去年の高温注意情報についての記事は⇒http://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20120723/130423/(ここをクリック

 この情報で「35度以上(地域によって33度・31度)まで上がる都道府県」や「30度以上の時間帯」を知ることができます。

 まだ暑さが本格的ではない時間帯を選んで身体を動かし、来たる「暑い夏」を乗り切る準備をしておきましょう。今のうちに行きや帰りの電車やバスを1駅分歩いてみるというのも効果的かもしれませんね。

nikkeibp.co.jp(2013-05-24)