ホンダ、メキシコに新工場 変速機の北米能力5割増
460億円投資

 ホンダは3日、メキシコに基幹部品である変速機(トランスミッション)の新工場を建設すると発表した。約4.7億ドル(約460億円)を投資し、2015年後半に稼働させる計画。年産能力は70万台で、北米での生産能力は5割増える。同国で14年から生産する北米向けの小型車「フィット」に搭載する。日本の自動車メーカーは景気の上向く米国向けを狙い、生産体制の整備を急いでいる。ホンダも生産コストの安いメキシコを増強、需要増に対応する。

 同社はメキシコ・グアナファト州に年産能力20万台の四輪車工場を建設中。14年春に完成し、日本で今秋に発売されるフィットの新シリーズを現地で生産する。新工場は同じ敷地内に建設する。

 新工場ではCVT(無段変速機)を生産する。稼働当初は35万台の能力だが、16年後半には70万台に増やす。ホンダが北米に持つ変速機の年産能力は現在、137万5千台で、これが5割増えることになる。

 ホンダにとって北米は、最も四輪車の販売台数が多い地域。12年度は4割を占めた。新型車を発売したセダン「アコード」や「シビック」「CR―V」の3車種が主力。特に米国は景気が上向きつつあり、新車販売も好調だが、フィットは現在、日本から輸出している。

 ホンダは16年度の世界販売台数を12年度比5割増の600万台にする方針を掲げている。中国など新興国を中心に拡販するが、北米も200万台前後の販売を確保したい考え。今回の変速機の新工場建設で、生産体制はほぼ整うことになる。

《追記》
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nikkei.com(2013-05-03)