「XP」ユーザー、どうしたらいい? サポートあと1年

■更新配布がなくなると、ウイルスの危険が増す

 【石橋達平】マイクロソフト(MS)の基本ソフト(OS)「ウィンドウズXP」のサポートが打ち切られる2014年4月9日まで、1年に迫った。使っている消費者や企業は、どのような対応が必要なのか。Q&A形式でまとめた。

 Q 1年後にウィンドウズXPのサポートが切れるんだって?

 A そうなんだ。インターネット・エクスプローラー(IE)6、オフィス2003も、サポート切れを迎えるんだ。

 Q 1年後から、パソコン(PC)が動かなくなるの?

 A サポートが切れたからと言って、パソコンが動かなくなったり、使えなくなったりすることはない。

 Q じゃ、何が変わるの?

 A 更新ソフトが配布されなくなるんだ。

 Q で、何が困るの。

 A 更新ソフトは、セキュリティー対策を主な目的にネット経由などで配布されている。XPの場合、今でも毎月約10件のセキュリティー上の問題点が公表されているんだ。更新ソフトがなくなると、攻撃への備えがもろくなる。

 Q 攻撃? セキュリティーって、そもそも何を気にしているの?

 A PCのハードディスクなどに保存されている情報が盗み取られたり、消されたりすることがある。それが個人情報だったり、思い出の写真だったりする。盗まれたり、消えてしまったりしたら、取り戻すことは難しい。また、対策の甘いPCに侵入して、そこから、さらに別のコンピューターに侵入することを繰り返し、追跡されないようにして悪さをする人がいる。被害にあっていると思ったら、実は自分のパソコンから勝手に他人のパソコンに攻撃を仕かけていたりする例もある。知らない間に、片棒をかついでいた、なんてことになりかねないんだ。

 Q インターネットにつながなければ問題ないんじゃないの。

 A それも安心できない。USBメモリーを介して、ウイルスに感染した例がある。

 Q どうしたらいいの。

 A 更新ソフトを適切に導入すれば、攻撃の9割以上は防げるというデータがある。マイクロソフト製品以外にも、PCに導入しているソフトは、常に最新の更新ソフトを適用した方が良さそうだ。

 Q マイクロソフトも、更新ソフトを出し続けてくれればいいのに。

 A 新しいタイプの攻撃が次々に出てきている。マイクロソフトは可能な限りの対応をしてきたという半面、古いソフトは、構造上、どうしても限界があると説明している。

 Q 1年後なら、まだ時間があるね。

 A 新しいPCを買うだけなら、そうだ。でも、企業の場合は、独自のソフトがあると新しいPCで動くかどうかの検証に、時間も費用もかかる。消費増税が決まれば、システム改造の需要が急増するのは間違いないから、業者に発注しようとしても対応し切れないおそれが出ているんだ。それを考慮すると、もう準備し始めないと、間に合わないとの見方もあるよ。

 Q 結局、新しいものに買い替えるしかないってことなんだろうか。

 A PCを使い続けて、ウィンドウズにこだわるなら、新しいものにした方がよさそうだ。でも、最近は、パソコンの中ではなく、インターネット上にデータやソフトを置いておく「クラウド」というシステムが注目されている。クラウドのサービスを使って、作業を指示したり、表示したりするだけの端末として使うなら、PCじゃなく、より安価な「タブレット」という手もあるよ。

asahi.com(2013-04-09)