ホンダ、15年にもF1復帰へ

 ホンダが自動車レースの最高峰、フォーミュラワン(F1)への復帰を前提に、エンジンの設計、開発に着手したことがわかった。2015年からの参戦を目指しており、イギリスの名門「マクラーレン」チームを軸にエンジンのみを供給する形での復帰を模索している。実現すれば、1988〜91年に黄金時代を築いた「マクラーレン・ホンダ」が復活することになる。

 ホンダ関係者が明らかにした。欧州を中心に環境面から小排気量のターボエンジンが市販車で広まっていることを受け、F1も14年からルールを改定。全車、排気量1600ccのV型6気筒のターボエンジン搭載が義務づけられる。

 近年レーシングカーの技術は、市販車とは相いれない、独自の発展を遂げてきた。だが、環境面に配慮した今回の改定は、F1で培った技術の市販車へのフィードバックが期待できる。このため、ホンダは国内でエンジン設計、開発に着手。すでに外国人エンジニアと契約し、アドバイスも受けている。レースで使えるようになるのは、早くても15年になる見通しだ。今後正式な復帰決定へ向け、慎重に判断する。

 マクラーレンはメルセデス製エンジンの供給契約が14〜15年で終了する。

 ホンダは過去3度F1に参戦。エンジンのみを供給した「第2期」は86〜91年に6年連続でコンストラクターズ(製造者部門)チャンピオンを獲得。しかし00〜08年の「第3期」は1勝にとどまり、リーマン・ショックのあおりで撤退した。

 復帰の可能性を問われた伊東孝紳(たかのぶ)社長が2月、会見で「一生懸命、勉強している最中です」と発言。動向が注目されていた。(田村隆昭)

asahi.com(2013-03-17)