燃費最高29キロのセダン型HV ホンダが6月発売

 ホンダはセダンクラスでは最高となるガソリン1リットルあたり29キロメートルの燃費性能を持つハイブリッド車(HV)を6月に国内で発売する。主力車「アコード」の国内モデルを刷新し、HV専用車として販売する。これより燃費性能の高いトヨタ自動車の「アクア」(35.4キロメートル)などについても、ホンダは現在開発中の小型HVで追い抜く可能性があり、自動車大手の燃費競争にさらに拍車がかかりそうだ。

 新型アコードはモーターだけで走行したり、減速時のエネルギーを回収・再利用したりして効率化する新開発のシステムを採り入れる。ホンダは従来、1つのモーターでエンジンを補助する簡易型のHVシステムを展開してきたが、トヨタが先行している2つのモーターを使うタイプを新たに開発した。

 燃費はHV専用車「インサイト」の27.2キロメートルを上回り、現在のホンダ車のなかでは最高となる。他社のセダンタイプのHVとの比較でも、トヨタの「カムリ」(23.4キロメートル)、「クラウン」(23.2キロメートル)を大きく上回る。価格は300万円強で、年間1万台程度を販売する見通しだ。

 HVと併せ、コンセントで充電可能なプラグインハイブリッド車(PHV)も6月に発売する。一般向けには販売せず、企業や自治体を対象としたリースに限定する。

 ホンダは2011年末に発売した軽自動車「N BOX」の販売が好調。今年秋には小型車「フィット」を全面刷新するほか、軽の主力車も追加。軽・小型車の比率が8割に上る見通し。新型フィットのHVは現在最も燃費性能が高いトヨタの「アクア」を上回る水準を実現する可能性がある。

 アコードは1970〜80年代に国内で年8万〜10万台を販売したかつての旗艦車種。セダン市場の縮小で販売が低迷、11年には年間約3200台に落ち込んだ。だが、セダン市場はブランド力や技術力を高める上で重要な分野と判断、全面改良で商品力をつける。

nikkei.com(2013-01-04)