12年の国内新車販売、ホンダ2位浮上へ 「軽」で躍進

 2012年の国内の新車販売台数で、ホンダがトヨタ自動車に次ぐ2位に浮上する見通しになった。軽自動車「NBOX」がけん引し、1〜11月のシェアは前年同期を1.9ポイント上回る13.9%に拡大。11月に発売した新型軽も計画の2.5倍の台数を受注し、タイ洪水の影響などでシェア5位だった11年から巻き返す。ハイブリッド車(HV)が好調な首位のトヨタもシェアを高める。

 6日に自動車業界団体が発表した新車販売台数(確報値)をもとにシェアを算出した。1〜11月のシェアは、登録車(排気量660cc超)と軽自動車を合わせて159万2957台を販売したトヨタが31.7%で首位。30万台強を売ったHV「プリウス」や24万台の「アクア」など、9月までのエコカー補助金を追い風に前年よりも3.2ポイントシェアを伸ばした。

 2位は11月までに約70万台を販売したホンダ。室内空間の広いNBOXと小型車「フィット」が各20万台前後で、全体を押し上げた。11月2日発売の軽「N―ONE」も今月5日までに2万5千台を受注し「軽の指名買いが増えている」(都内の販売店)。年末にかけて順次納車するため、通年でも14%前後のシェアを確保できる見通し。

 ホンダは11年に2位だった日産自動車とは1〜11月までで8万台近い差がある。12月の国内新車需要が例年と同じ三十数万台の水準なら、ホンダが通年で2年ぶりに2位になるのは確実だ。

 3位争いは激しい。1〜11月では軽が主力のダイハツ工業とスズキがともに63万台強を販売し、いずれもシェアは12.6%。ダイハツは燃料1リットルあたり30キロメートルの燃費性能を持つ「ミライース」、スズキは9月に全面改良した「ワゴンR」を中心に台数を積み上げた。

 現在は、軽の人気で存在感を増した両社を日産(12.3%)がわずかな差で追う構図。日産は年前半に新型車が少なく、OEM(相手先ブランドによる生産)調達する軽の供給台数に限りがあり「苦戦した」(幹部)。

 1〜11月の新車販売台数は前年同期比30.3%増の503万台。12年通年では530万〜540万台で、軽の比率が4割近くになる見通しだ。

nikkei.com(2012-12-06)