ホンダ、インド全小型車にディーゼル搭載
16年度の販売6倍に

 ホンダがインドで燃費性能の高いディーゼルエンジン車を投入する。まず2013年春に新興国専用車「BRIO(ブリオ)」をベースにした新型小型セダンに搭載、その後は「シティ」など全小型車に広げる。インド市場では出遅れたが、ディーゼル車の品ぞろえを整え16年度の販売台数を現在の約6倍の30万台に引き上げる。

 ラジャスタン州にある乗用車の第2工場の敷地内でディーゼルエンジン工場の建設に着手。新興国専用に開発した排気量1500ccのディーゼルエンジンを13年初めに生産を始める。ブリオをベースにした新型小型セダン、シティのほか、主力小型車「ジャズ(日本名フィット)」にもディーゼルを順次搭載する。

 インドでは補助金効果でディーゼル車の燃料となる軽油の価格がガソリンよりも安く、自動車市場の大半をディーゼル車が占める。ただ、ホンダはこれまでガソリン車しか生産していなかった。11年度のホンダのインド販売台数は10年度比8%減の5万3314台だった。生産能力が12万台の完成車工場の稼働率の低下も業績の下振れ要因となっている。

 ホンダは16年度までに世界販売台数を12年度計画比1.5倍の600万台に引き上げる計画で、300万台を新興国市場で売る。インドをタイやインドネシアと並ぶアジアの重要市場と位置付けている。既存工場の稼働率が向上した段階で新工場建設も検討する。

nikkei.com(2012-11-09)