ホンダ、狭山の生産ライン1本閉鎖 新工場に移管

 ホンダは国内生産を再編する。埼玉県狭山市にある工場の生産ラインを1本閉鎖し、同県寄居町で2013年7月に稼働する新工場に移管する。国内市場は低価格の小型車にシフトしている。新鋭工場で生産性を高めて、コスト競争力を強化。年100万台規模の国内生産を維持する。

 寄居町の新工場の生産能力は年約20万台で小型車「フィット」などを生産する。狭山市の既存工場に2つあるラインのうち1ラインの機能を人員も含め移す。新工場では車体加工時間の短縮などで生産性を3割高める。

 車種構成も見直す。フィットを来夏に全面刷新しセダンなどを追加。軽自動車でも今年11月に車高が低めの新型車を投入、13年に「ライフ」を改良する。販売が低迷するミニバン「ストリーム」などを今モデルで終了。「オデッセイ」に統合し来年に新型を発売する。

 ホンダは円高で輸出採算が悪化する中、07年に5割超あった輸出比率を数年内に1割台に減らす方針。国内の生産規模を維持するため生産再編と同時に販売改革も進めて国内販売台数を増やす。自動車業界では国内事業の収益の底上げにつなげるため、トヨタ自動車や日産自動車も国内の生産再編に着手した。

nikkei.com(2012-09-19)