ホンダ、東南アジア生産能力4割増 域内で相互供給
マレーシアでもHV車を生産

 ダは19日、マレーシアの四輪車工場で第2ラインを建設し、年間生産能力を10万台に倍増させると発表した。ハイブリッド車(HV)を生産し、周辺国への輸出も検討する。インドネシアの増強を含め、東南アジア全体の生産能力を2年後に4割増の55万台に拡大。各拠点が完成車を相互に融通する柔軟な生産体制を強化し、成長市場を開拓する。

 マレーシアのマラッカ州にある既存工場の敷地内で新棟を着工した。投資額は87億円。新設する第2ラインの生産能力は年5万台で2013年に稼働させる。能力増強に合わせ、従業員数を現在の約1900人から約2600人に増やす。

 第2ラインでは「フィット(現地名ジャズ)」などの小型車を生産する。また、今春に日本から輸出を始めた「フィットハイブリッド」を12年末から既存ラインで生産。13年の稼働開始後は第2ラインに生産を移管する。東南アジアでのHV生産は今夏にも始めるタイに次いで2カ国目となる。タイでも輸出を検討している。

 ホンダはタイ工場から「シビック」や「シティ」をインドネシアに、インドネシア工場からはミニバン「フリード」をタイ、マレーシアにそれぞれ輸出。域内で完成車を相互に供給することで各拠点の生産効率を高めている。ハイブリッド車も現地生産することで、相互供給する車種を増やし、成長市場の開拓を強化する。

 東南アジア諸国の中でマレーシアはHVの需要が比較的高い。ホンダはHV専用車「インサイト」など11年はHVを約4600台販売した。今後も需要が伸びると見て、現地生産に踏み切る。マレーシアの新車市場は年間およそ60万台。ホンダは11年にマレーシアでHV(約4600台)を含めて約3万2500台を販売した。

《追記》
☆本田技研工業情報 「マレーシア四輪車工場で第二ラインの建設を開始」ここをクリック

nikkei.com(2012-07-19)