ホンダ、中国利益700億円 12年3月期の純利益の3分の1

 ホンダが2012年3月期に中国で稼いだ利益は700億円前後だったようだ。連結純利益(米国会計基準)の3分の1にあたり、世界最大市場となった中国が利益に大きく貢献している。ただ独フォルクスワーゲン(VW)など現地シェア上位のメーカーに比べ利益水準はなお低い。中国でいかに稼ぐかで、自動車各社の収益格差が生まれる可能性もある。

 ホンダは現地合弁を通じて展開する中国事業の利益を、関連会社持ち分利益に計上している。前期のアジアの関連会社持ち分利益は前の期比2割減の879億円となり、その約8割は中国で稼いだようだ。中国では車の価格設定が各社とも高めなこともあり、「収益性は米国を上回って世界でトップ」(ホンダ幹部)という。

 前期の中国販売は5%減の62万2000台だった。シェア下位のホンダは今年4月、3年後に中国販売を120万台に倍増させる中期目標を表明した。現地専用車種やハイブリッド車(HV)の投入でテコ入れし、中国利益の1000億円超えが視野に入りそうだ。

 それでも先行メーカーの利益水準とは開きがある。米ゼネラル・モーターズ(GM)とシェア首位を争うVWは11年12月期に中国で225万9000台を販売。中国事業の持ち分利益は26億1600万ユーロ(約2600億円)に達した。

 日本勢で中国での利益が最も大きいとみられるのは日産自動車。営業利益に中国利益を反映させており、前期は1400億〜1500億円規模と、連結営業利益の3割弱に達したようだ。

nikkei.com(2012-06-16)