ホンダ、最高級セダン「レジェンド」の生産中止
「インスパイア」も、国内は小型に注力

 ホンダは最高級セダン「レジェンド」の生産を中止した。それに次ぐ高級セダン「インスパイア」の生産も今月で打ち切る。国内の高級セダン市場は軽自動車や小型車人気で縮小しており、ホンダの国内販売は全体の4割前後を軽自動車、3割を小型車「フィット」が占める。今後は高級セダンへの経営資源の投入を絞り、軽、小型車、ハイブリッド車に集中する。

 セダンを生産している埼玉製作所狭山工場(埼玉県狭山市)で、このほどレジェンドの生産を打ち切った。インスパイアは今月、計画の50台を生産し次第、終了する。系列販売店にはすでに両車種の新規受注を中止することを伝えた。

 レジェンドは1985年に発売。91年には約1万9000台を販売し、日産自動車の「シーマ」などと高級車市場で人気を競い合った。初代からの累計販売台数は10万台強に達したが、輸入車の攻勢もあり、11年の販売台数はレジェンドが360台、インスパイアが989台にとどまった。

 ホンダは国内で13年に主力車「アコード」の全面改良を予定しており、アコードにインスパイアを統合するなどして、高級セダンを1車種に絞り込む見通しだ。

 ただ、海外では需要が大きい地域を中心に高級セダンをてこ入れする。北米では日本で生産したレジェンドを「アキュラRL」として販売しているが、13年初めに全面改良するのを機に現地生産に移す見通し。インスパイアは北米では「アコード」として販売しており、今秋に全面改良する。

nikkei.com(2012-06-16)