太陽磁場、来月に4極化か…300年前は寒冷に

 国立天文台などは19日、5月にも太陽の磁場が反転し、北極と南極にN極(プラス磁場)、赤道付近に二つのS極(マイナス磁場)が出現する「4重極構造」に変化するとの予想を発表した。

 約300年前に地球が寒冷化した時期と太陽活動の特徴が一致しており、温暖化の一時的な抑制につながる可能性もある。

 同天文台の常田佐久教授(太陽物理学)らは、太陽観測衛星「ひので」を使い、磁場データを分析。昨年7月以降、北極の磁場がS極からN極に反転し始めたことを確認した。一方、ほぼ同時に反転するはずの南極はN極のままで変化せず、4重極構造が確実視される状況となった。

 磁場反転の原因は未解明だが、約11年周期の黒点の増減と同期することが知られている。直近の黒点周期は13年近くに延び、北半球の平均気温が0・6度下がった17〜18世紀とよく似ている。当時も4重極構造だったと推定されるという。

読売新聞(2012-04-20)