ホンダ、欧州テコ入れ 新型エンジンのディーゼル車拡充

 ホンダは欧州で新型ディーゼルエンジンの搭載車種を拡充する。セダン「シビック」に加え、多目的スポーツ車(SUV)「CR―V」と高級セダン「アコード」にも順次搭載する。新型エンジンは排気量が1600ccと従来より小さく、燃費性能が高い。主力車種のエンジン刷新でディーゼル比率を2割から4割程度に引き上げ、苦戦する欧州市場のテコ入れを図る。

 ホンダは新型ディーゼルエンジンを搭載したシビックの生産を年内に始めることを既に決めている。今秋以降にCR―V、アコードを新モデルに切り替えるのに合わせ、2013年にかけて両車種にも新型エンジン搭載車を投入する方針だ。

 シビックとCR―V用のディーゼルエンジンは小川工場(埼玉県小川町)で一部を生産。英国で組み立てて車両に搭載する。アコード用は小川工場で生産し、狭山工場(埼玉県狭山市)で車両に搭載し、欧州に輸出する見通しだ。

 3車種とも現行モデルには06年に開発した排気量2200ccのディーゼルエンジンを搭載している。新型エンジンは従来より排気量を小さくし、軽量化。二酸化炭素の排出量は業界で最も少なく燃費性能は高いという。14年施行の欧州の次期排ガス規制「ユーロ6」に対応している。

 ディーゼルエンジンの開発は欧州メーカーが先行。近年、技術革新が進み、排ガスに含まれるすすなどが大幅に低減した。ガソリン車に比べて車両価格は高いものの低燃費で燃料が安いため、年約1400万台の欧州市場の5割をディーゼル車が占める。

 ホンダの11年の欧州販売台数は前年比20%減の15万9000台。小型エンジンがなかったことなどから、ディーゼル車比率は2割にとどまり、シェアが約1%に低迷する一因となっていた。主要3車種のディーゼルエンジンを刷新し、早期に販売台数を30万台前後に引き上げたい考えだ。

nikkei.com(2012-03-17)