ホンダ、インドネシアに四輪車新工場
投資額300億円

 ホンダはインドネシアに四輪車の新工場を建設する。投資額は300億円前後。2014年に稼働させ、生産能力を現在の年6万台から、3倍の18万台に引き上げる。低燃費の小型車を中心に東南アジア市場で増産攻勢をかける。東南アジアの中核生産拠点であるタイの工場が昨秋の洪水で被災した経験を踏まえ、インドネシアをタイに次ぐ拠点に育て、災害リスクに備えた分散生産体制を整える。

 インドネシアのジャカルタ郊外にある既存工場の敷地内に新工場を建設し、生産ラインを現在の1ラインから2ラインに増やす。生産能力6万台の既存ラインも設備を増強して、2ラインで18万台を生産できる体制に引き上げる。

 既存工場で手がける小型車「ジャズ(日本名フィット)」や多目的スポーツ車(SUV)「CR―V」、ミニバン「フリード」を増産するほか、生産車種を増やす。低価格の新興国専用車としてタイなどに投入した小型車「ブリオ」や現在、タイから輸入している小型車「シティ」が候補となる見通しだ。

 インドネシアの11年の新車販売台数は前年比17%増の89万4180台。多人数乗りのミニバンや低燃費の小型車の需要が拡大しており、東南アジア主要6カ国の中で唯一販売台数を伸ばし、統計がそろう1999年以降で初の域内首位に立った。ホンダは生産能力を大幅に増強し、拡大する同国市場で攻勢をかける。

 ホンダの11年のインドネシアでの生産台数は前年比16%減の約4万9000台。部品や完成車の輸出拠点だったタイの工場が昨秋の洪水で被害を受け、インドネシアの工場も一時、減産を余儀なくされた。タイに集中していた東南アジアの生産体制を見直し、部品生産を増やすなどしてインドネシアを新たな中核拠点にする考えだ。

《追記》
☆本田技研工業情報 「Honda、インドネシアに新四輪車工場の建設を決定」ここをクリック

nikkei.com(2012-03-14)