野菜づくり事始め記 =その6=

 野菜畑が住宅地になる
 野菜づくりを始めて今年7年目を迎えた。正月明けに地主から「この土地は7月から住宅地になる」と言われる。ここ6年間、開墾し、丹精を込めて手入れをした110坪の畑である。やっと土も赤褐色から農家の畑の土と同じ黒色に近づいて、これからの栽培を楽しみにしていた矢先の事である。
 都市計画法に基づく開発許可基準の変更があり、調整区域であっても場所によっては、住宅建築が許可されることになった。これは若い世代を日高市に受け入れる市の施策にもなっている。

 新たに100坪の土地を借りる
 この畑一帯は地主から350坪の長方形の土地を10名が借りていた。地主は遊休地をあと100坪しか持っていない。これまでの畑利用の実績を地主が評価して、私が借りることになった。新たに借りた土地は、扇形に長方形がくっついた変形した土地である。

 開墾作業開始
 開墾作業とは、野菜を育てる場所を40cmの深さに掘り、石や粘土や木や竹の根などを取り除く作業をいう。借りた遊休地は耕作されていない。昔、河川敷だったらしく、丸い石や粘っこい粘土が層を成している。一部は石の捨て場になっていた。
 1坪開墾するのに、大きなバケツ4杯分の石や粘土が出てくる。出てきた石や粘土を150m離れた場所に捨てに行く。捨てたバケツ4杯分の土を旧畑から補充する。これらの作業を行うのに1坪あたり平均5時間かかる。
 旧畑への立ち入りは6月末が期限である。100坪のうち、通路や物置のスペースを除く、実耕作面積は80坪である。1日5時間働いて80日間かかる。1週5日間労働として16週間必要である。3月はじめから開墾作業を開始した。

 開墾作業の厳しさ
 これまでの畑でも数年前同じように開墾作業をおこなった。今回は疲れ方が特に激しい。この数年で体力が確実に低下していると実感した。
 6月に入ると蒸し暑さと日射の強さ、それに雑草の成長が著しい。雑草取り作業をさらにプラスして行う。畑で倒れてはみっともないので、体がふらついてくると早目に切り上げるようにした。6月末、開墾を終えた時は、「やった!」という達成感で思わずバンザイをした。

 開墾作業を終えて
 扇形の畑の底辺に当たるところは、農家の門の前である。今までの草ぼうぼうと違い、雑草のない整然とした畑になったためか、農家のお爺さん・お婆さんが向こうから挨拶してくれる。喜んでくれていると思うとうれしくなる。
 新しい畑には、すでに、キャベツ・サトイモ・ヤマイモ・トマト・ナス・ピーマン・ネギ・スイカ・サツマイモ・モロヘイヤ・ツルムラサキ・イチゴ・アスパラ・フキ・ミョウガ・ニラ・キュウリ・シソなどの野菜が育っている。
 これから秋に種まきを行うと畑がフル稼働の状態になる。

 今までの野菜づくりの目標は”野菜の自給自足”であった、ちょっと背伸びをしていた。今後は耕作地が限られているので”食べたい野菜を食べられる量だけ育てる。収穫については、普通に育ってくれればよい”と自然体でいくことにした。野菜づくりの三つの喜びが得られればそれで十分だ(育てる喜び・収穫し食べる喜び・お裾分けして喜んでもらう喜び)

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記:大澤 敏夫(2006-08-29)