25年ぶりに家庭菜園を始めました

 1.きっかけと菜園概要
 私は25年ほど前、子育て真最中の頃50坪ほどの畑を家の近くに借りて家庭菜園を楽しんだ経験がある。新鮮な野菜を沢山食べたいという願望と子供達を自然に親しませるきっかけを作ってやるのが目的だった。当時は結構楽しんだが5年ほど続けた後、結局負担になって止めてしまった経緯がある。

 元々農作業が嫌いではなかったので定年になったら何時かは再開したいと思っていた。再開に当たって畑を借りてやるのでは土地に対する愛着が強くならない事と畑に設備や果樹を植えられないので数年で投げ出し兼ねないという不安があった。長続きさせるために自己所有の畑を得たいと思い適当な売り物が出たら購入しようと決めていた。

 たまたま昨年の7月、家から2キロ程はなれた狭山市のはずれで日高市に隣接した調整地域に売りものが出たので購入する事にした。これはある都内の業者が分譲を目的として売り出したものだった。各区画には市営水道が設置され、4.2mの舗装道路に面していて、まさに家庭菜園に最適という条件の物件だった。畑の面積は間口11メートル奥行き20メートルで220平方米(約67坪)です。

 2.設備構想
 単に畑として作物を栽培するだけではつまらないので別荘的な気分を味わいながら家庭菜園を楽しめないかと考えて構想を練った。思案の結果日陰を作るぶどう棚、快適な休息室、便利な物置と下屋を設けることにした。休息室は製作せず空調付きの中型ワゴン車の廃車を購入した。2列のリヤーシートを外して後部を広くし簡単なテーブルと仮眠具を置いた。勿論エンジンをかければ冷暖房完備の応接間に早や変わりする。

 物置と下屋は手作りである。既成のものでは敷地にレイアウトがしにくいのと使い勝手が良くないのであえて手作りとした。下屋には一輪車、脚立、耕運機等の大型の機器を置き、物置には肥料、農具、工具、備品等を置いて使い分けている。
 また夏場の水遣りをし易くするために自動散水施設を設けた、隣地との境には足場用のパイプで仕切りをして棚等を作りやすくした。また夏の炎天下で涼しく休むところが欲しいので組み立て式のぶどう棚を2セット購入した。一セットはぶどう用(巨砲)、もう一セットはヘチマやヒョウタン、時にはかぼちゃを這わして日陰を作る為に備えたものだ。

 3.作付け
 作付けは大きく分けて野菜と果物とした。将来体力的に耕作が出来なくなったときを想定して数種の果樹を植えた。柿(富有、善寺丸、蜂谷)3本、栗、梨2本、ビワ、イチジク、みかん2本、梅、アーモンド、木苺、さくらんぼ2本、すだち等で計11種15本です。

 今は苗の段階だが5年もしたら随分大きくなるだろう、段々と野菜の部分を侵食してやがて果樹だけになってしまうかもしれない。
 また、野菜は種類を多く、量を少なくの原則に立って四季折々のものを楽しめるように工夫した。しかしどうしても夏野菜に集中しやすい傾向にあるのでこれからが思案のしどころです。

 3月にはジャガイモ、小松菜、便利菜、早生とうもろこし、春菊、大根を蒔いた。4月にはねぎ、枝豆、落花生、アスパラ、ミツバの種を蒔いた。5月初めにはトマト5本、ナス5本、きゅうり10本、スイカ3本、かぼちゃ2本、メロン3本、ねぎ4メーター3列、ピーマン2本、唐辛子4本、オクラ5本、ゴーヤ4本等の苗を植えた。5月22日の時点で収穫出来るのは小松菜、春菊、便利菜くらいであるが6月末当りからは収穫に結構忙しくなる筈です。
 なお、枝豆、とうもろこし、きゅうりは二次、三次の作付けを計画している。又自宅に自生していたミョウガ、ふき、青じそ、にら等も移植したので30種類近くになった。

 4.肥 料(堆肥作り)
 肥料は主に腐葉土、鶏糞、油粕、化成肥料である。また落ち葉や家庭の生ゴミを堆積して腐葉土作りもしている、来年以降には使用可能である。近くに木材を破砕処分する会社があって自由に持ち帰って良いと言ってくれたので粉砕材を軽トラ一杯分ももらってしまった。

 5.作 業
 このところすっかりはまってしまって、ほぼ毎日畑通いである。朝飯前の早朝に行っていい空気を吸ってひと働きといった具合である。朝飯がこんなにうまく感じられたのは久しぶりである。多いときは午前と午後の2回を足して一日3回行く事もある。実は回数を増やす事で仕事のやり忘れや飽きが来ないように気分転換をしている。機動性を増す為に耕運機の「こまめ」を購入したがこの面積ではたちまち耕すところが無くなってしまった。やむを得ず鍬とスコップで細かい作業をしている。

 6.副産物(?)
 こんな調子であるからこのところ好きなゴルフも定例以外はすっかり止めてしまった。練習も全くしていない。にもかかわらず何故かゴルフは絶好調である。先週のEG-OBコンペでの優勝、先先週の某コンペでの準優勝と80台が続いている。そのうち100叩きが始まるかも知れないが不思議な事である。

 7.総 論
 投資÷出来高数 = ???円 /一個の野菜   さて一本いくらにつくでしょうか? 採算性は全くないのですが自然に接して野菜を育てるという楽しさ、別荘気分で時を過ごし、適当に体を使って、心身共に快調で、益々長生き出来そうな爽快な気分になれるなんて「なんと素晴らしい収穫ではないか」と感じている。正に値千金である。収穫期を終え一年を経過したらまた報告をしたいと思っている。

 この5月で定年後5年が経過した。この間ホンダで習得した技術を元にODAで海外に2回行った。また、国内では数社の中小企業の指導をして来た。更に技術の分野とは全く異なる仕事も開拓し順調に進めている。
 しかしながらふと気がついてみると残された年数を数えられるような歳になってきた、この辺で少し方向性を変えた方がいいのではないかと感じていろいろと模索している今日この頃です。

記:粕谷 厚生(2005-05-25)