野菜づくりの三つの喜び定年退職後、残り少ない人生の柱を“野菜づくり”と決めて5年目を迎えた。現在100坪の土地を耕作し、昨年は35種類の野菜を栽培した。野菜の自給率は65%(目標は95%)である。わが菜園は、農薬や化学合成された肥料を使わない無農薬・有機栽培である。
最初の年は「無農薬有機栽培の難しさは何か?」を三現主義で把握する年であった。その年の栽培記録を紹介する。 虫害や微生物による病気、連作障害などの対策として、一般の農家では農薬漬けと言える位農薬を多用している。わが菜園では農薬を使わないため戦略的取り組みが必要である。
まず、畑を54畝に分割管理した。1畝の広さは巾1m長さ3.3mに統一した。1畝は1種類の野菜を育て夫婦二人が食べるのに十分な広さとした。連作障害とは、同じ野菜を連続して栽培することによって、土壌中に、その野菜を好む病菌が異常発生することから受ける障害である。この障害を避けるためには、例えばナス科のナス・トマト・ピーマン・ジャガイモなどは親戚である。ナス科の野菜は親戚同士でも4年以上作付けの間隔を空けなければならない。わが畑では、畝ごとに作付けを管理して対応している。
野菜は生き物であるが、厳しい状況下でも声を出さない。野菜の心の声は野菜の葉や茎のイキイキ度を毎日目で見て判断する必要がある。野菜生育の原理原則は何かを常に考えながら観察し対策を考える。三現主義は野菜づくりに欠かせない。
野菜づくりは毎年PDCAが回せ、かつ、スパイラルアップを図って行くことが可能だ。今年は5巡目のサイクルを回している。野菜づくりの喜びは、育てる喜び。収穫して食べる喜び。お裾分けして喜んでもらえる喜びがある。今年もこの三つの喜びをさらに拡げ、チャレンジしながら楽しめるものにしたい。 記:大澤 敏夫(2004-12-05) |