チョイノリ ¥59,800円 <<発想の転換>>

 知り合いのスズキ自動車の方から下記情報をいただきました。
 ちょうど一年ほど前、NHKのテレビに「鈴木修」さんが登場して『日本の製造業が危ない! 火を消してはならない!』と警鐘を鳴らされたことを思い出しました。
 その時、小生の率直な感想を『感銘しました』とお伝えしたところ、それが鈴木会長に回り、『ホンダさんからそう言ってもらえるとは、痛み入る。よろしく言ってくれ』とのコメントが返ってきました。さらに"オフレコ"で、『ホンダというのはどういう会社なんだ、こういうことが自由に言えるのか?』・・・とも。

 3月3日の朝6時台のNHKニュース番組の中で「鈴木 修」さんが登場されました。まず当社の吉野社長が出て、『2輪車を中国で作って日本に逆輸入する』という「記者会見」風景でした。続いて「ヤマハ」さんが同じく『台湾で作って、国内で10万円以下で売る』というものでした。最後に将に真打が登場し、『日本における物造りを終わらせたくない』と熱っぽく語りました。

  『雇用を守りながら、どう海外の安い製品と対抗していくか』
  『いまでの物造りを終わらせないために、考える時が来た』
  『新勤務制度で雇用を守る』 等々

 思わず目頭が熱くなりました。もはや何でもかんでも海外という時期は、とうに過ぎたように思えてなりません。最近のアメリカでも「アメリカンファースト」と自分自身を守ることを実行しだしております。
 鈴木修さんのことは、テレビなどでもよく拝見しています。 (工場の中に入って事細かにコストダウンの指示をされるなど・・・。) これからの我が日本のためにも益々がんばってもらわなければならない方のように思いました。

        チョイノリ ¥59,800円《発想の転換》

 『スズキが物造りを忘れるな、2・4輪共、国産で1cc当たり¥1000で販売できるモデルを造れ』の鈴木修会長の号令のもと取組んだ二輪車の第1弾、50ccスクーター"チョイノリ ¥59,800"が自転車より安いとあって発売後の反響が大きく、既にバックオーダーが2万台以上になっているようです。利益はほとんど出ないと思いますが、仕入れ先、労組との一体感醸成という点では大きな効果があるようです。
 機会がありましたらぜひ町で見てみて下さい。良い悪いは別にして発想の転換とはこういうことなのかなと、感じさせられるモデルです。
 当モデル、生産ラインの全長が16mで手押し移動ラインです。総設備費用が約900万円、工程7セクションのみ、ライン総人員が現在14名、習熟後は11名になる予定と何から何まで発想の転換で進めているようです。
 このような発想転換が受け入れられるものかどうかは興味のあるところです。

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 「国産で」という要件が”さすが”と思います。「スズキ」はそのまま「日本」にあてはまります。
 真剣に考えなければならない時がやってきたようです。

記:木田橋 義之(2003-03-09)