野菜づくり事始め記 =その3=

 野菜づくりを始めて3年目になる。Plan・Do・Check・Actionを回してスパイラルアップをはかって行く。3巡目のPlan・Do段階をむかえた。野菜づくりをチャレンジしながら楽しめるものにしたい。

 目標値を決める
 ここ2年間いろいろ考えた結果、目標値を「野菜自給率:90%以上」とした。体が自在に動く60代は"山登り"や"スキー"などの楽しみに時間を使いたい。それらがピークを越える70代に入ると野菜づくりを本命とし、目標は75歳位までに達成したい。
 なぜ100%にしないか? つくれないもの、例えば、もやし・カイワレダイコン・ウドなど。 季節外れのものを食べたい、例えばトマトを夏以外に食べたいなど。嫌いな野菜などをつくって毎日食べさせられてはたまらないなどの理由からである。
 本などで調査した結果、自給率95%を達成している方もいる。自給率アップのキー野菜はキャベツであると見定めた。年中キャベツが収穫できるようにすることがキーである。

 耕作面積を90坪に拡大
 2月末、地主が「30坪ほど畑が空いた」という。即、借りることにする。これで合計90坪の耕作面積になる。「野菜自給率:90%以上」という目標から、最終耕作面積は120坪と考えている。
 空地になった場所は雨が降ると畑が水に浸かっていた。水が溜まりやすいというので、今回地主が2トントラック3台分くらい桑畑から土を入れ込んだ。前にこの土地を借りていた人は2年間畑として耕作していたが、地面下20cm位にある粘土層はそのまま残っている。地面下40cmまで掘り込む開墾作業が必要である。
 スキーシーズンが終わった3月21日から開墾作業に取り掛かる。2年前の実績では、10坪開墾するのに1ケ月要した。一日5時間作業をし、これまで得られた開墾ノウハウをフル活用し、2年前の1/3の日数で開墾を完了することが出来た。今回は「リストラにあったのね」という評判は立たなかったが、散歩をする人から「よくやられますね」という声をかけられた。

 地主が入れ込んだ大量の土は畝を高くすることで使い、余った2トントラック2杯分位の土は、周りの耕作者に譲った。周りの耕作者は体力的に大変な粘土層の掘り込み作業を行わないで土地を高くして対応している。

 また、大雨が降ると畑が水浸しになる対策として、水を流す水路を作った。畑全体をみた水の流れの管理や処置は地主がやるべきことである。まだ40代の地主は「体をこわすから」と言ってやらない。よい畑にして野菜づくりを行うためには自分がやらざるを得ない。畑の周囲で一番土地が低い場所は竹やぶである。竹やぶの中に水を引き込む溝堀り作業を行うことにする。竹の根をシャベルで切りながら掘り進む。手に相当な衝撃を受ける。石の捨て場になっていたらしく石が多い。地主が「体をこわすから」と言った言葉を体で感じながら、毎日少しずつ、1日30cm位ずつ堀り進めた。"畑仕事は毎日少しずつやること"と悟っている。溝堀りもそうだし、雑草取りも毎日少しずつ行うと苦にならない。

 野菜づくりの現状を振り返って
 毎朝、霞ケ関駅近くまで11kmのランニング時、畑を見ながら走っている。野菜の出来栄え、日常作業の内容が毎日彼我比較できる。ほとんどの野菜は他の畑に較べて見劣りのしないものが出来るようになった。しかし、まだ課題が多い。例えば、昨秋種をまいたキャベツが1月初めの寒さで葉の1部が枯れ、春になっても成長力が回復しなかった。キャベツを一番重要視しているためショックを隠せない。

 虫ではアブラムシ(家庭内のゴキブリではなく、新芽などに真っ黒につく小さな虫)が1.5mmのネットの目をかいくぐって侵入しコマツナ・コカブなどに被害を与えた。今年もソラマメの芽にアブラムシが真っ黒に付着し対策に苦慮している。また、堆肥つくりも基本に忠実に行わないと堆肥化が進まない。例えば、昨秋枯葉を多く集め堆肥化を試みたがまだほとんど分解が進んでいない。・・・などなどがある。これら困りごとの情報交換、大歓迎。

 5月2日現在畑に植えている野菜は、トマト・ナス・ピーマン・キュウリ・スイカ・トウモロコシ・イチゴ・オクラ・きぬさやエンドウ・グリンピース・インゲンマメ・エダマメ・ソラマメ・ネギ・ワケギ・玉ネギ・ラッキョウ・ニラ・ミョウガ・レタス・サニーレタス・モロヘイヤ・アスパラガス・青シソ・アシタバ・ツルムラサキ・チンゲンサイ・ジャガイモ・サトイモ・ヤマトイモである。
 90坪の畑を54畝に分割管理している。今2畝のみ5月末に植えるサツマイモ用に空けてある。畑はフル稼働状態にある。

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記:大澤 敏夫(2002-05-02)