ルイジ・タベリさんのスペインの別荘を訪れて

 インターネット同好会の皆様お元気ですか。狭山工場で定年を迎えたOBの山中幸三です(ニックネーム:幸ちゃん)。この度旅行記をご案内させていただきます。

 想い起せば1964〜66年の3年間メカニック(1966年二輪レース全種目制覇)の仕事が縁で、ルイジ・タベリさん(64・66年に2回の125ccワールドチャンピオン獲得)と、家に行ったり来たりで、今日までナガーイお付き合いをさせていただいている。

 前々からスペインの別荘にとお誘いがあったが、なかなか行く機会が出来ないでいた。この際タベサンも高齢(73歳)だし、我々も元気なときにと思い切って計画をした。計画がすべて完了後テロ事件が発生する。迷ったが行くと決定し自分に言い聞かせた。

 スペインのハベアという所に別荘がある。オレンジで有名なバレンシヤとアリカンテノの中間に位置し、地中海の海岸沿いのすばらしい眺めの場所です。

 久しぶりの再会に感動しました。大変元気で年よりは8歳ぐらい若く見えました。バレンシアのホテルまで迎えに来てくださり、アウトバーンを150km/h前後で走行、約100kmの道中、オレンジ畑を眺めながら別荘に到着。素晴らしい豪邸でビックリした。着いて早々近くのヌーディスト海岸へ行ったが、おおらかで自然と戯れる感じでいやらしくなく、人間本来の姿をかいま見た。トドのように体を焼いていたが、ヨーロッパでは焼いた肌が黒ければ黒いほど金持ちのステータスの意味がある。

 いかに自然体の中でリフレッシュしながら仕事と家庭を大事にしながら過ごすかが大事であるかが17日間の旅で納得できた感じがした。どこかへ行こうとする時、女房に「早くしろ」と言うと、タベさんの奥さんが決まって話す言葉がある。「ハッピーさん、ホリディ、ホリディ」<<時間を気にするな>> (別荘をホリディハウスという意味合いがわかったような気がする)<<自然体になれ>>。

 ヨーロッパ人は時間にルーズといわれるが本当のルーズさでなく自然体なのだ。2つのゲストルームは四つ星ホテル並み以上で、別玄関付、居間、台所、バルコニー付3階建て屋上、食事場所が4ケ所、うち2ケ所はピザ、バイエリヤの釜戸付で居間以外の2ケ所は屋根付屋外、1ケ所はプールサイド。ほとんど屋外での食事で、時間をたっぷりかけて楽しくいただく、決して豪華ではない。ワインの好きな方なら最高ですよ。

 日本からトレドの街を一望できるパラードルホテルに2泊を予約した。以前ツアーで来たが時間が取れなかったので、トレドの町を再度観たいために、ハベア(javeaと書いてハベアと読む)、アリカンテ、アルバセテ、コンスェグラ、トレド、クェンカ、バレンシヤと全工程約1千キロをドライブして来た。道路は村道、ハイウェー(120km/h制限)、アウトバーン、標識と道路が良いため間違わず、事故もなかった。

 ブドウとオレンジの収穫時期であり、車から降りていき、食べさせてもらったが青くて不味いと思っていたが、すごく甘いのでビックリした。村では石油貯蔵タンクのように大きなワインタンクがあり、忙しそうに働いていた。トレドの街、お城、風車、ドンキホーテの道ラマンチャとかのんびりとした気ままなドライブを楽しんだ旅でもあった。ハベアの海でのクルージング、魚釣り、水は凄く透明で空青く、地中海、紺碧、物価安く、日本人は来ない、治安もよく素晴らしい、まさに高級別荘地帯といわれるのもわかるような気もします。

 やはりレースで生死を賭けた仕事、そしてメカニックとドライバーの、相通ずる心が永いお付き合いが出来たことだと思い、深い感謝の気持で別れの日がきましたが、最後にタベサンご夫婦の心のこもったおもてなしに感謝しながら、お互い涙の別れになってしまいました。
 国は違っても人間はハートが通じることだと思います。

寄稿:山中 幸三(2001-11-14)