5月連休山行き記

 五月連休に、仕事中心真っ只中で、登山のエキスパートのEG:菊池二三男氏から誘いがあり日本の山の中で最難関(登山道が無い、ヤブこぎの山)と言われる佐武流山(志賀高原スキー場と苗場スキー場の中間に位置する日本の秘境地帯にある)に登ってきた。その紹介を行う。小生としては、初めてのテント泊でありベテランのノウハウの吸収も目的の1つだった。
注)佐武流山も今年の秋登山道が開通し難関の山で無くなるのが残念。

 以下、ちょっと長くなりますが、興味ある方のみ読んで下さい。

● 2000年5月4日(木)
* 16時15分:家発
* 19時30分:野反湖畔着、テント泊
《追記》
 16時15分、菊池氏の車で野反湖へ出発。渋川伊香保ICから353号線へ。草津方面からの帰りの車で反対車線は大渋滞。夕食は食堂で食べる予定であったが菊地氏はテントで自炊するというので長野原でコンビニを探し食料を仕入れる。野反湖畔の登山口 駐車場に着いたのが19時30分、辺りは日が暮れて真っ暗、風が冷たい。標高1500mの野反湖はまだ氷が張っている、周りの山々も真っ白で雪と氷の世界、寒い。まず建物のかげの風が吹き付けない場所を選んでテントを張る。寒くて暗い、ガスで湯を炊く気にもならない。
 菓子パン・バナナなどで簡単に夕食をすます。いざ寝ようとするがアルミのシートマットを家の玄関に忘れてくる。テントの下は冷たい地面。エアーマットを持ってくるが使い方を忘れてエアーが十分入らない状態で使用。下から冷えてくる。ホッカロンを使用するがそれでは追いつかない。シュラフの使い方も不完全で、首周りからも寒気が入り震えながら寝付かれない。雲1つない満天の星空のみが美しい。

● 5月5日(金)
* 4時:起床
* 5時48分:野反湖畔発
* 8時18分:堂岩山(2051m)
* 9時30分〜9時45分:白砂山(2139m)山頂
* 10時49分〜11時20分:沖ノ西沢ノ頭(昼食)
* 13時12分〜13時35分:佐武流山(2191m)山頂
* 14時55分:沖ノ西沢ノ頭着、テント泊
《追記》
 4時起床。大霜がおり周りが凍りついている。外はすでにうす明るい。昨夜は寒さでほとんど寝ていない。体調も良くない。湯を沸かし赤飯・味噌汁・お茶を飲む。温かい飲み物は活力を与える。5時、野反湖でのつりのグループが到着。車が次々と到着しだす。
 5時48分に登り始める。リュックの重量は19kg。すぐに残雪の上を登る。50分登り10分休憩しようと菊地氏。最初の休憩で4本爪アイゼンをつける。これで雪の上での歩行が気分的に楽になる。浅間山から志賀高原の山々の展望がよい。2回目の休憩でスキー用のサングラスをつける。8時18分に堂岩山山頂。白砂山から佐武流山への稜線の展望がひらける。9時30分〜9時45分に白砂山山頂。山頂の標識が雪に埋もれ頭を僅かに覗かせているだけ。雲1つ無い晴天。富士山・日光の山々・尾瀬の山・越後の山・妙高火打などの展望を楽しむ。10時49分〜11時20分沖ノ西沢ノ頭で昼食(大福・どら焼・バナナ)とする。赤樋山はトラバースするルートとなっている。気温上昇で雪が緩みアイゼンの引っかかりが悪くなる。この秘境と言われる山で計20人くらいの登山者にすれ違う。うち中高年の女性が1/3と多い。体力勝負の山であるが女性の強さを感じる。
 13時12分〜13時35分佐武流山山頂着。山頂の標識が雪に埋もれ見あたらない。近ずいた苗場山をバックに記念撮影。ここから引き返す。下りの急斜面は靴をスキーに見立て、ツツツーと小走りで降りて行く。ここで先頭を菊地氏と替わり先へ。赤樋山のトラバース道の急斜面に切ったルート上で谷側の足場の雪がずれ落ち滑り落ちる。幸いにも木の手前で止まる。リュックの凹凸でブレーキがかかり助かる。
 こんな時はピッケルがないとどうしようもない。もう少しで今日の宿泊地点というところで足が持ち上がらなくなる。足がつった状態となる。9時間の歩行で限界を感じる。
 14時55分沖ノ西沢ノ頭着。テントを張ることにするがスコップが無いため平らな場所を探す。幸い無風に近い状況。快晴でこの雪山を独占している感じで気分良し。夕食はおかゆ・味噌汁・バナナ・お茶など。温かい湯がなによりのご馳走。菊地氏はここで雪を溶かし飲料水を作る。今日は菊地氏が22500円で買った2人用のテントを初使用。エアーマットに十分空気を吹いて入れる。日の入りは18時33分であるが、18時には寝る。今日は寒さとの戦いと考え上下つなぎの下着を着込む。ホッカロンも持ってきた全てを使用。しかし、上体が寒い。襟元から寒気が入ってくることが分る。シュラフとシュラフカバーの襟元を締める。時間がたつとまた寒気が襲ってくる。体を動かして熱を出すことやホッカロンを移動するなどの繰り返しで今日もほとんど寝られない。幸いにも気温が氷点下まで下がらない。22時半頃トイレのため外に出ると、満天の星が美しい。

● 5月6日(土)
* 4時:起床
* 5時45分:沖ノ西沢ノ頭発
* 6時54分:白砂山
* 8時06分:堂岩山
* 9時53分:野反湖畔 登山口
* 10時40分〜11時30分:“バーデ六合”で温泉入浴
* 11時50分〜12時30分:“道の駅六合”で昼食 * 15時10分:家着
《追記》
 4時起床。おかゆ・味噌汁・バナナ・お茶の朝食。気がつくともう日が昇っている。今日はもやがかかって遠望が利かない。5時45分に沖ノ西沢ノ頭発。今日はテント1式1.4kgを持つことにする。6時54分〜7時10分白砂山着。昨日、今日の昼食用の食料と水1gを雪の下に埋めていたが、雪が1日で10cm近く溶け、全てが表に出ているが盗難に合わず無事。早朝は雪が冷えアイゼンが利き、歩き易い。8時06分に堂岩山着。リュックの重みが肩にかかり肩が我慢出来ないくらいこってくる。リュックを骨盤で背負っていないで肩で背負っている、工夫が必要。10分休むと肩こりが治る。また1時間くらいすると肩がこってくる。9時53分に野反湖畔の 駐車場に下山。靴の中に水が染み込んでいる。初めての事象。この靴は7年弱履いた、寿命といえる。下山後、手の指の痙攣が時々起こる。今回スキー用のストックを2本使うが登りには長すぎて使えない。斜面のトラバース時長すぎて邪魔などマイナス効果のみ目立つ。スキー用ストックは使えない。
 10時40分〜11時半に“バーデ六合”で温泉入浴。さっぱりする。
 11時50分〜12時30分“道の駅六合”で昼食。野菜と魚か肉が食べたくなり、ジンギスカン定食を食べる。渋川伊香保ICから関越道に。15時10分に帰宅。ガソリン+有料道路代1人3800円。

記:大澤 敏夫(2000-05)