野菜づくり事始め記 =その1=なぜ、野菜づくり! ホンダを今年1月に定年退職し、この与えられた残り少ない貴重な第三の人生の柱(生活時間の最大を費やし、生きがいを見出すもの)を何とするか。私は、躊躇することなく"野菜づくり"と決めた。20年前に始めた早朝ランニング、数年前に始めた(日本百名山)登山、この二つに共通し、今でも私をひきつけているのが、自然の中の"気(心にリフレッシュ感を与えるもの)"を体で感じ取れることである。四季折々に咲く道端の草花、高山の短い夏に懸命に咲く花々をみると生命力の強さを感じると共に心が洗われる。 リストラにあったのね!
3月に入ると植付け作業が始まる。家から50m行くと畑であり、付近の賃貸し農園の空き地を探していると、小畔川沿いの竹林を賃貸し農園にしようとしているところがあった。家から200m弱と近い。グッドタイミングとすぐに2区画(20坪)を借りる。1区画33uで年2500円と安い。
一方、野菜づくりの知識を求めて日高市立図書館・鶴ケ島市図書館・川越市図書館へ行き、野菜づくりの本を借り、パソコンに入力。データベースづくりを進める。 この賃貸し農園が安い理由が土地を掘ってみてわかる。地面下20cmと30cm付近に粘土層がある、この粘土層は粘りがあり、カツヲブシ"のように削り取らないと細かくすることが出来ない。それとこの土地は土砂の捨て場になっていたらしく、コンクリの破片が多い。チャントした畑にするためには開墾作業が必要とわかる。33uの土地を40cmの深さに掘り起こし、粘土層を削いで細かい土にかえるのに1ケ月を要すことがわかる。根気と体力がいる仕事であるが、山登りの登りの心境・ウサギとカメのカメさんの心境で毎日時間を決めてとりかかる。 1ケ月たつと周りの土地を借りた人達はこの重労働の掘り起こし作業を行うことをあきらめはじめる。最初は安いのでわれ先に土地を借りた人が、土地を返却し始める。私の借りた土地の隣接地も借り手がいないままになっているので、土地の借り増しを順次行う。現在私の借地は6区画(200u)にまで拡大した。 この畑は日高団地の犬の散歩のメインストリートに面している。早朝から暗くなるまで100人を超える人達(ほとんどが奥さん)が犬の散歩で通りかかる。「いつも畑を掘っているあの人はリストラにあったのね!」という噂がたっていると近所の奥さんが知らせてくれる。いつも若く見られるから、40代位に若く見られたのかなと思う。 確かに、毎日毎日下を向いて苦しさに耐えて土を掘っている姿は落ち込んでいる暗い表情に見えるのかも知れない。 野菜づくりには"戦略"が不可欠!
野菜づくりを始めるにあたり、Must要件を2つ設定した。
たったこの2項目のみかと言われそうだが、よほど戦略的に進めないと達成が難しい事と考えている。 野菜づくりは"生物戦争"だ、緒戦で敵のパワーのすごさをしる! 3月末、掘り起こし作業の終わった畝から順次野菜を植えていく。ジャガイモ・ホウレンソウ・ネギ・サニーレタス・キャベツ・・・などなどこれまでに24種の野菜を植えた。これまでに収穫したものは、ホウレンソウ・サニーレタス・キャベツ・キュウリ・ナス・トマト・シソ・ピーマン・モロヘイヤなどである。
収穫したものの中から、キャベツを事例にとり生物戦争の実態を紹介する。 野菜づくりの敵は虫以外に、カビやバクテリアなどの微生物、カラスなどの鳥、それと"雑草魂"をもったしぶとい雑草などがある。人の場合は"病は気から"というが、野菜の場合は"病は土から"といえる。野菜づくりの相手は、生物戦争に勝ち残った最強精鋭部隊、一方、こちらの野菜部隊の主力は、純粋培養・温室育ちの弱小部隊である。ファイトをかきたててくれる。生物戦争の戦略上の最重要事項は"土づくり" と考え、これから取り組んで行く。 野菜づくりのステップアップした次の目標は上記の基本戦略・戦術が確立したあとに考えたい。
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